2023 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸波の信号成分分析による魚類のストレス度推定法に関する研究
Project/Area Number |
20K06195
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Research Institution | National Institute of Technology (KOSEN), Kure College |
Principal Investigator |
平野 旭 呉工業高等専門学校, 電気情報工学分野, 准教授 (60594778)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 呼吸信号 / ストレス度推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
計測信号にノイズが乗る問題が確認されていた.要因として考えらえた「電極と誘導コードの接着」については,専門業者からのアドバイスを受けて防水対策を行った.それでもS/N比として許容できる「ノイズ制限レベル(±0.05V)」を超えるノイズが確認された.そこで,以前の研究で使用していたものと同型の生体信号増幅アンプと,オシロスコープを購入し,独自のシステムを介さない方法で信号の取得状態を確認した.アンプに搭載された電子部品の接続部剥離による電気的接続不良が原因であると判明した.不良個所は,複数のアンプで同じように確認され,長期間,高湿度環境への暴露に対する対策の必要性も確認された.この修復により,「ノイズ制限レベル」に抑制した計測が再開可能になった. また,呼吸信号からストレスが推定された際の血中コルチゾル濃度分析が課題として残っていた.既報の通り,採血手技については目途が立っていたが,外部分析機関を見つけられていなかった.本年度,所属機関の購買系部署に相談の上,委託機関を探したが,採血量を原因として,受託可能な機関を見つけることができなかった.本研究Gr.の過去の知見では,毒物に対する反応には個体差がうかがえている.呼吸波からストレス受容を検出し,水槽から個体を取り出して採血するまでのプロセスを迅速にクリアできたとしても,血中コルチゾル濃度に個体差がある可能性が高い.2021年度に報告した解剖実験の倫理面の問題や,S/N比の良い明確な呼吸信号を取得できる条件として,過激な運動や危険を感知した場合に限られる点を考慮すると,生化学手法で分析するよりも,ストレス受容時の行動や,絶命までの挙動を実分析する方が有用であると判断された.過去,呼吸信号と運動の関係が定量的に解決されていない点も踏まえ,エッジコンピュータと物体検出器を用いてメダカの遊泳位置を検出するシステムを構築した.
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