2021 Fiscal Year Research-status Report
中・漸深層における仔稚魚の形態および生態に関する研究
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20K06214
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| Research Institution | Tokai University |
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Principal Investigator |
高見 宗広 東海大学, 海洋学部, 特任講師 (70835933)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 中深層 / 漸深層 / 仔稚魚 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
去年に引き続きコロナ禍の影響による小型舟艇の利用制限や海況不良もあり，21年度の採集調査は各月2回計24回実施する計画の中で，ビームトロールによる近底層調査2回，1.3mリングネットによる中・漸深層調査7回の計9回に限られた．中・漸深層調査では，閉鎖器を用いることで水深約700－1000m層を曳網することができた．また，閉鎖器の運用を行った結果，作動に問題はないものの，一部の部品の強度が低く破損するなどの問題がみられた．そのため，使用するボルトを太くするなどの設計の小改良によってこの問題を解決し，新たな閉鎖器を作製した．新しい閉鎖器は，2回の調査で使用し破損等の問題がみられていない．この閉鎖器を使用して今後２層同時曳網を実施する．近底層調査ではホラアナゴ科，セキトリイワシ科，ホテイエソ科，ソトオリイワシ科，ハダカイワシ科，チゴダラ科，ソコダラ科，ヒウチダイ科およびホタルジャコ科が，中・漸深層調査ではシギウナギ科，セキトリイワシ科，ヨコエソ科，トカゲハダカ科，ワニトカゲギス科，ハダカイワシ科およびクロボウズギス科が採集された． これらの発育段階は，近底層調査で採集されたソコダラ科の1個体（稚魚期）を除き，すべて成魚期であった．成魚期の標本は胃内容物や生殖腺の観察に使用する．また，閉鎖式ではないため正確な採集水深は不明であるがIKMTを使用して駿河湾の水深0－1236mを曳網した結果，セキトリイワシ科の仔稚魚が3個体採集された．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルスの世界的な流行による，人との交流や移動，フィールド調査などの制限や自粛に加え，海況不良も重なり，標本調査や採集調査が計画通りに実施できていない．また，中・漸深層における仔稚魚の分布密度は想像以上に低い可能性が示唆され，大型のネット（IKMT）を使用した調査以外で採集できていない．
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| Strategy for Future Research Activity |
未だにコロナ禍の終息の見通しが立たないが，中漸深層の採集調査を重点的に実施する．仔稚魚の生息密度が想像より低いことが予想されたため，2層同時曳網の実施および標本破損の可能性が高まるが曳網時間をより長くするなど採集努力量を高めることに注力する．また，閉鎖式ではないため分布水深の解明には利用できないが，IKMTで採集されたセキトリイワシ科などの中漸深層に分布すると考えられる仔稚魚の形態の分析を進める．
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| Causes of Carryover |
「理由」コロナ禍および海況不良で，予定より大幅に調査が実施できず，閉鎖器の不具合の解決などにも時間がかかり2層同時曳網に移行できなかったため．
「使用計画」本年度に改良された閉鎖器の運用実績を上げ，問題点がないようであれば2層同時曳網を行うための追加の採集機材の購入に使用する．
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