2020 Fiscal Year Research-status Report
Role of glycosylation in assembly of supermolecule squid hemocyanin.
Project/Area Number |
20K06229
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
加藤 早苗 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 准教授 (80291061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 百慶 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 助教 (70863083)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | タンパク質 / 糖鎖 / 会合体 / ヘモシアニン / サブユニット |
Outline of Annual Research Achievements |
頭足類イカ類の酸素運搬タンパク質であるヘモシアニンはサブユニットが10個集合した超巨大会合体分子で、その分子量は3.8 MDa にも及ぶ。この会合体分子には修飾糖鎖が結合しているが、研究代表者は会合体形成に修飾糖鎖が関与しているのではないかと推測している。本研究では、会合体分子における修飾糖鎖あるいは修飾糖鎖ータンパク質間の相互作用の実態解明をめざす。 本年度は、添加糖による会合体解離の度合いおよび解離速度を検討した。アオリイカヘモシアニン溶液にグルコースを添加した後氷上で保持し、経時的に超遠心分離を行い、会合体画分と解離物画分に分画した。その結果、グルコース添加による会合体の解離はヘモシアニン濃度に強く影響を受けることが明らかとなった。すなわち、低濃度のヘモシアニン条件(20μg/mL)ではmM オーダーのグルコースで速やかに会合体は解離したが、ヘモシアニン濃度を50~100倍高い条件下(1~2mg/mL)で同濃度のグルコースを添加すると、解離の度合いは低下し、解離速度も10倍以上遅延した。さらに、コウイカヘモシアニンを試料として同様の検討を行ったところ、タンパク質濃度が高いとグルコースによる解離が遅延する結果が得られた。このため、イカ類ヘモシアニン分子の会合と解離にはヘモシアニン濃度が強く影響することが明らかとなった。今後、脱グリコシル化したサブユニットの会合体形成能の検討を実施するとともに、修飾糖鎖間あるいは糖鎖-タンパク質間の相互作用測定条件を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のため大学での研究室における活動が大きく制限されたこと、大学の教務業務としてのコロナ感染予防対策と授業方針検討に忙殺されたことから、本研究へのエフォートが計画よりかなり低値となってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染予防の観点から、比較的短時間で実施可能な実験から取り組むべく研究計画の順序を一部変えて研究遂行する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、新たな物品購入を控えたこと、学会参加のための旅費を使用しなかったことから、次年度使用額が生じた。今年度購入予定の物品は次年度購入する計画である。
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Research Products
(4 results)