2021 Fiscal Year Research-status Report
魚類アレルゲン(パルブアルブミン)の立体的なIgE抗体結合エピトープの構造解明
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20K06236
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
小林 征洋 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (30511753)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パルブアルブミン / アレルゲン / エピトープ / 魚類 / IgE反応性 |
Outline of Annual Research Achievements |
パルブアルブミンは魚類共通のアレルゲンであり、患者のIgE抗体が結合するIgE結合エピトープは類似すると考えられている。これまでに数魚種でポリペプチド鎖状上の一次構造エピトープが報告されているが、いずれも魚種間で共通性がない。我々はこれまでに、マサバパルブアルブミンのエピトープを構成するアミノ酸残基が、一次構造上では断続的に点在し、折りたたまれると集結してエピトープが出現することを明らかにしている。これら残基は多くの魚類で同一または同じ性質のアミノ酸であるみられるが、マサバパルブアルブミンと同じ立体構造エピトープを有することは確認できていない。そこで、既に明らかにしたマサバパルブアルブミンのエピトープと、他の魚類、爬虫類、鳥類および哺乳類のパルブアルブミン上の同領域について、静電ポテンシャルを推定し比較した。その結果、マサバを含む魚類パルブアルブミン同士の静電ポテンシャルはよく似ているが、その他の生物とマサバとは相違が多くみられた。また、魚類パルブアルブミンはマサバパルブアルブミンとの静電ポテンシャルの相違が大きくなると、IgE反応性が低くなる傾向がみられた。阻害ELISAではこれらの魚種のパルブアルブミンが、マサバパルブアルブミンのIgE反応性を阻害したため、同一のエピトープを有することが確認できた。一方、魚類パルブアルブミンの中でマサバとの相違が最も大きい魚種のパルブアルブミンは、マサバのIgE反応性を完全に阻害することができなかったため、エピトープに若干の構造の違いが反応性に影響を及ぼしたと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルスの影響のため、担当していた学生の出席に制限があり、研究の進行が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度に決定したパルブアルブミンの遺伝子配列はアミノ酸配列の全長を網羅していないため、未解析領域の解析を進める。また、マサバ以外の魚種もマサバと同じエピトープを持つことを証明するため、マサバ以外の魚種についてパルブアルブミンのエピトープと推定する領域のアミノ酸を変異させてIgE反応性が低下するかを調べる。
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