2023 Fiscal Year Annual Research Report
持続的な畜産物生産に対する消費者評価の倫理的背景に関する定量的研究
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20K06252
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| Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
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Principal Investigator |
岩本 博幸 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90377127)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 消費者行動 / 倫理的消費 / 家畜福祉 / 動物倫理 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は、アニマルウェルフェア（AW）畜産物の事例として，AWに配慮して生産さ れたバターを分析対象として消費者の支払意志額（WTP）を明らかにし、その背景に存在する倫理的態度を規定因として定量的に検討することにある。具体的に2点の分析課題を明らかにする。第1に、AW畜産物に対する消費者評価をChoice Modeling（CM）からWTPとして定量的に求める。第2に、WTPやAW畜産物の購入意志に影響を与える動物倫理に関する規定因を共分散構造分析（SEM: Structural Equation Modeling）から明らかにする。
Webリサーチで収集した消費者データの分析から得られた主な知見は以下の3点である。
第1に，CMのRPLMからAW認証表示属性のWTPを推計した結果、AW認証は62円となった。
第2に、家畜、野生動物、動物園動物、実験動物など動物に対する倫理的態度を尋ねた質問から得られた回答を用いて因子分析を試みた結果、積極的にAW畜産物を購入したいという「AW認証畜産物の購入意志」、動物の手段的価値を重視する「手段的価値の重視」、動物の苦痛・ストレスの軽減を重視する「苦痛軽減の重視」、動物の生存権・生命を重視する「生命中心主義的価値の重視」が因子として存在することが示された。
第3に、因子分析から得られた因子を構成概念としてSEMによる構成概念間の影響関係を検討した結果、AW認証バターへのWTPの背後には「AW認証畜産物の購入意志」が存在し、「AW認証畜産物の購入意志」には、「手段的価値の重視」が負の影響を与えていることが示された。一方で「苦痛軽減の重視」および「生命中心主義的価値の重視」はともに「AW認証畜産物の購入意志」に正の影響を与えることが示され、同時に「苦痛軽減の重視」および「生命中心主義的価値の重視」は正の相関関係を持つことが示された。
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