2020 Fiscal Year Research-status Report
Structure and Challenge of Advanced Paddy Field Utilization: Focusing on Multiple Cropping and Yield Level
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20K06274
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
西川 邦夫 茨城大学, 農学部, 准教授 (00726820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 光義 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40261747)
平林 光幸 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (40448650)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 水田高度利用 / 二毛作 / 単収水準 / 水田利用の担い手 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度においては,各研究代表者・分担者が各自の分担に沿って研究を進めた。コロナ禍で実態調査の機会が制約されたため,新しくデータ等を収集することが困難な1年であった。研究代表者の西川は,①宮崎県における二毛作の実態についてメール・電話で調査を行い,2019年度までの調査結果と合わせて日本農業経営学会大会(オンライン開催)で個別報告,報告論文の投稿を行った。宮崎県において二毛作を成立させている要因として,焼酎メーカーによる加工用米に対するニーズに,県農政による産地交付金の設定と集落営農組織化が対応したことが明らかにされた。②茨城県における農地利用の動向(農地中間管理事業を中心に)についても,オンライン会議等を使用して調査を行い,『土地と農業』に論文寄稿を行った。農地中間管理事業推進の地域性が,相対借地及び主食用米過剰作付面積の分布と一致することが明らかにされた。③茨城県農業における外国人労働力の導入状況について調査を行い,『日本農業年報』に論文寄稿を行った。コロナ禍において,外国人労働力の移動が停滞していること,影響が長期化すると大規模農業経営体の営農に支障をきたす懸念があることが明らかにされた。研究分担者の安藤は,コロナ禍のため現地調査を行うことができず,水田農業政策の歴史を整理・総括する研究を行うことになった。同じく研究分担者の平林は,東海地方の大規模水田作経営の実態を整理した論文を,『農業経営研究』に共著で掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により,実態調査の機会が制約された。そのためメンバーによる共同調査は実施できず,各自の個別調査も実施回数を減らさざるを得なかった。一方で,これまでの調査結果等を整理して論文を執筆する時間は比較的多くとれたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は新型コロナウイルス感染症の状況を見極めつつも,実態調査を少しずつ増やしていきたいと考えている。夏期にはメンバーによる共同調査を北海道で実施するとともに,各自が個別調査の回数を増やすことを予定している。またこれまでの研究成果を公表するために,9月に開催される予定の日本農業経営学会大会において,メンバー外からの招聘者も含めて分科会を開催することを計画している。2021年度は,研究の進捗状況を通常の軌道に戻す期間であると位置づけている。
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Causes of Carryover |
2020年度はコロナ禍のために,遠隔地への実態調査を行うことが難しい状況だった。実施できた調査は近距離,もしくはオンラインによるものだったので,旅費を使用することは無かった。以上が次年度使用額が発生した最大の要因である。2021年度は実態調査を再開するとともに,物品の購入,メンバー外の研究者への依頼出張(近距離の調査を依頼)等で研究費を使用するとともに,各地域の実態把握を進めていきたい。
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Remarks |
関連した学術講演。Kunio Nishikawa. Success and Challenges in Increasing Rice Farming Productivity in Japan. Harvard-Yenching Institute Annual Roundtable: Modernizing Asia’s Countryside, on Zoom, April 2, 2021.
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Research Products
(7 results)