2023 Fiscal Year Annual Research Report
地域資源管理における経験価値マーケティングの有効性に関する定量分析
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20K06279
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
赤沢 克洋 中京大学, 経営学部, 教授 (70304037)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 経験価値 / 地域資源 / サービス / 潜在クラス分析 / 日帰り温泉施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,価値創造に資する消費者の経験に着目し,その活用による地域マーケティングの新たな戦略方途を提示することである. 当該年度において,公設日帰り温泉施設が提供するサービスの経験価値と経験品質に関して,特に経験価値に注目しながら定量的に分析した.具体的には,公設日帰り温泉施設が提供するサービス価値やサービス品質は一通りではなく多種であるため,それらの設計は施設間で一様ではなく多様となる。こうした状況のなか,すべての公設日帰り温泉施設にとって他の日帰り温泉施設が提供するサービス価値とサービス品質に関する情報は高い有用性をもつ.そこで,公設日帰り温泉施設が採用する経営戦略の多様性を捕捉することを目的とした. このために,全国の公設日帰り温泉施設を対象とした質問紙調査を実施し,サービスの価値と品質の設計に関する平均的傾向の把握と戦略類型の抽出を試みた.その結果として,抽出した潜在因子を指標として評価したところ,緊張解消や娯楽追求に関わる価値と親切や厚遇に関わる品質が提供すべきサービスとして重視されていることがわかった.さらに,サービスの価値あるいは品質を分割指標として潜在クラス分析を実行したところ,サービス価値においては「価値消極型」「疲労回復型」「独自情報型」「娯楽追求型」「本質機能型」「価値全般型」,サービス品質においては「品質消極型」「親切型」「厚遇型」「安心型」「有用型」「品質全般型」の各類型が得られた.このことから,より高度化したマーケティング戦略をとる公設日帰り温泉施設は,知識増進や非日常性,感覚経験,適応などの価値や品質の提供によってサービスの差別化を図ることがわかった.
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