2022 Fiscal Year Annual Research Report
Landslide risk characterization using integrated wireless sensor network system for point and area-averaged measurements
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20K06299
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
宮本 英揮 佐賀大学, 農学部, 准教授 (10423584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 真也 琉球大学, 農学部, 教授 (30336359)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IoT / 宇宙線中性子 / 土壌水分量 / 加速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
土壌水分・加速度センサネットワークおよび宇宙線中性子土壌水分観測システム(COSMOS)を用いた斜面観測の結果,以下に要約する成果を得た。 (1)斜面に分散配置した土壌水分・加速度センサにより,①降雨と連動した急な変化,②無降雨期間を含めた地下水流動に伴う緩やかな変化,③センサ周辺に形成された空間内への地下水の流出入を意味する極端な変化等の計3パターンの土壌水分量(または誘電率)の変化を見出した。また,併設したワイヤー式伸縮計により表層土の滑動が検知された数時間前に,斜面内部の不規則な加速度の変化が検知された。伸縮計の数値が一定値で推移し,見かけ上,表層土の滑動が認められなかった期間においても,類似した変化が認められた事実から,このセンサを用いることで,様々な気象条件下において地盤内部の変化を効果的に把握できると考えられた。 (2)前述のセンサデータの分析結果に基づき,加速度の急変点や,漸減・漸増傾向を検出できるアルゴリズムを検討するととに,土壌水分量(または誘電率)の観測結果と60分間積算雨量に基づく新たなリアルタイム危険度診断法を検討した。本研究の観測地点では,斜面崩壊が発生しなかったため,前者については観測地点を増設したうえで,その有効性を検討する追加実験を要する。一方,後者については,降雨に土壌水分量の応答が期待される深さにセンサを埋設した状態で更なるデータを蓄積したうえで,危険度診断法を再検討する必要があると考えられた。 (3)前年度までに確立した,スイスにおける中性子観測データと地磁気強度を活用した校正法を利用して,COSMOSによる斜面の面的土壌水分量の季節変動特性を明らかにした。また,土壌水分センサによる点の水分量とCOSMOSによる面的土壌水分量の観測有効深度や変動傾向の差異を見出し,点と面の2つの観測技術の特徴を活かした新しい相互運用法を明らかにした。
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