2023 Fiscal Year Annual Research Report
放射線で光る粉を用いた植物体内元素のライブイメージング法の開発
Project/Area Number |
20K06317
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉田 亮平 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 講師 (60724747)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シンチレータ / 放射線イメージング / 放射線検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで様々な化合物から新規シンチレータの探索を行い、有力なシンチレータを多数発見してきた。発光波長は放射線検出器の感度域のピークに近い440nm付近であり、多くの放射線検出器における高い検出効率が期待できる。既存のシンチレータには、無機・有機による化学性、固体・液体の形状など個々の特性に合わせた様々な製品が開発されているが、本研究の新規シンチレータはそのどのタイプにもなりうる可能性がある。これまで発見した新規シンチレータに加え、それらの化合物の前駆体などを解析の対象とし、様々な放射線を照射、解析を行った。良い結果が得られ始めていることに加え、化合物の化学修飾により、高いパフォーマンスに期待が持てる結果であった。さらには、多様な溶媒などの試験を行うとともに、民間化学合成関連企業と共同でさらなる開発を進めるに状況にいたっている。 植物の放射性トレーサー実験へのシンチレータの適応においては、レタスの葉に粉状シンチレータを塗布することで、葉にカルシウムが蓄積する様子をライブイメージングで撮影することに成功した。一方で、葉を板状シンチレータに固定して撮影していたこれまでの撮影と異なり、撮影中に葉が動くことによるカメラとの焦点距離が一定ではないこと、葉に塗布するシンチレータの厚みが均一ではないことに起因する定量性の低下など新たな問題も出ており、撮影技術の構築にはさらなる改良が必要である。
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