2020 Fiscal Year Research-status Report
収穫作業者育成支援を目的とした深層学習によるトマトの適時収穫支援に関する研究
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20K06330
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
奥村 俊昭 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (90331967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 邦昭 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (90259804)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 農業ICT / 収穫支援 / ディープラーニング / 画像認識 / トマト収穫 / ウェアラブル |
Outline of Annual Research Achievements |
トマト農園と研究室内で撮影した画像の一部を手作業で分類し、ラベル付けを行った。教師ラベル数を5カテゴリとし、学習用データ数707枚、検証用データ数177枚で、サポートベクターマシン(SVM)による分類を行った。その結果、検証精度(F値)が0.70(つまり、認識精度70%)という成果であった。誤認識された画像を検証したところ、葉や蔕が写った画像において緑色の画素が多くなり、分類精度に大きな影響を及ぼしていることを確認した。また、そもそもの教師ラベルに不適切なものが混ざり、正しく認識できているが教師ラベルに合致せずに誤認識と判定されたものも一定数あった。3層ニューラルネットワークによる分類では検証精度0.73だった。認識精度が向上しない理由は上記のとおり画像データセットの精度の問題である。現在、画像データセットの数と質を向上させる目的でデータセットを作成しなおしている。整理できたデータセットは当初の目標数である3,000枚を超えている。収集済みの画像がまだ大量にあり、全てを整理すると10,000枚を超える見込みであり、ディープラーニングによる画像認識によりさらなる認識精度向上が期待できる指標を得ることができた。スマートグラスを用いた入出力装置の開発については、出力系は容易に開発できている。スマートグラスに埋め込まれたカメラを用いた入力については、ハンズフリーでタイミングよく撮影する手法の開発が課題となっている。もう一つのアプローチであるRGBセンサーを用いた成熟度判定については、Raspberry Piを用いた装置を作成しセンサーで取得したRGB値に基づいてカラーレベルを出力するアプリケーションを開発した。十分な検証は実施できていないため、今後の課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響でトマト農園でのデータ収集ができずにいたが、これまでに撮影した画像を再検討したところ1枚の画像に複数のトマトが映り込んでいるものや、同じ個体を多方向から撮影した画像が多数存在し、トマト領域をトリミングすることで学習データを増やすことができた。ディープラーニングに先立ち、作成した学習データのうち学習用707枚と検証用177枚をランダムに選択し、機械学習であるサポートベクターマシン(SVM)による分類を行った。その結果、検証精度は70%であった。目標とする90%程度の認識精度にする指標を得ることができた。スマートグラスを用いた入出力装置については、出力は容易に開発することができており、入力に関してスマートグラスに埋め込まれたカメラを用いてハンズフリーでタイミングよくシャッターを切る方法が課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、学習データの整理を行い1万枚を超える画像に対するラベル付けを行い、ディープラーニングによる画像分類を推進する予定である。スマートグラスを用いたトマト画像入力については、顔画像認識技術を応用して画像中の一定枠内にトマトが映り込んだことを自動認識するアプリケーションを開発する。RGBセンサーを用いた成熟度判定については、学内で実験ができるようにプランターでトマトを栽培し、実物のトマトのカラーデータを分析する。トマト農園でのデータ収集と実証試験については新型コロナウイルス感染症拡大の状況を見極めながら慎重に検討していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響でトマト農園でのデータ収集ができず旅費を使用していない。また、学生の登校自粛措置もあり謝金の使用もなかった。これらについては、次年度以降も別途予算計上しているところであり、スマートグラスを用いた画像入力のアプリケーション開発の必要性が出てきたためそれに必要な消耗品費に充当する。
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Research Products
(1 results)