2021 Fiscal Year Research-status Report
収穫作業者育成支援を目的とした深層学習によるトマトの適時収穫支援に関する研究
Project/Area Number |
20K06330
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
奥村 俊昭 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (90331967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 邦昭 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (90259804)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 農業ICT / 収穫支援 / ディープラーニング / 画像認識 / トマト収穫 / ウェアラブル |
Outline of Annual Research Achievements |
収穫作業者育成支援を目的とした携帯可能なトマト収穫時期提示システムのバックボーンとなる、深層学習によるトマトの着色度合いを判別する画像認識処理の手法検討と結果を報告する。トマトは成熟過程に応じて緑色から赤色まで10段階の着色度合いが農協で定められている。トマト農園などで収穫前の枝にぶら下がっている状態のトマトを撮影した。実用化を前提として、トマトのサイズや形状、向き、着色度合い、葉や枝に囲まれている状況、天候、照度や光源の向きなど撮影条件が一定でない画像データセット3787枚を5つのカテゴリにラベル付けした。 昨年度まで使用していたデータセットの総データ数は900程度で、学習には不十分な量であった。そこで、新たに3000枚近いトマト画像をデータセットに追加し、総数3787枚とした。これにより特に画像数が少なかった完熟に近いカテゴリのデータを増強し、全てのカテゴリで学習に十分なデータを用意することができた。なお、データセットを拡張する際に、画像の明暗が極端で正確な判別ができない画像と、明らかな欠損や異常がみられる画像に関してはデータセットから除外した。 深層学習に用いる畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、畳み込み層やDropout層、Max Pooling層から成り、学習の安定化を図る目的でBatch Normalization層を導入した。構築したネットワークモデルに画像データセットを適用した結果、検証用データに対する分類の正解率は80%であった。実用化にはまだ改良の余地があり、教師ラベルの修正を行うデータクレンジングやネットワークモデルや最適化アルゴリズムの改良が今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響でトマト農園でのデータ収集ができずにいたが、これまでに撮影した画像を再検討したところ1枚の画像に複数のトマトが映り込んでいるものや、同じ個体を多方向から撮影した画像が多数存在し、トマト領域をトリミングすることで学習データを増やすことができた。画像データセット3261枚を5つのカテゴリにラベル付けした。深層学習に用いる畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、畳み込み層やDropout層、Max Pooling層から成り、学習の安定化を図る目的でBatch Normalization層を導入した。構築したネットワークモデルに画像データセットを適用した結果、検証用データに対する分類の正解率は80%であった。
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Strategy for Future Research Activity |
実用化にはまだ改良の余地があり、教師ラベルの修正を行うデータクレンジングやネットワークモデルや最適化アルゴリズムの改良が今後の課題である。令和4年度は、認識精度向上と並行して、スマートグラスやタブレットPCへの実装作業を行う。トマト農園での実証試験については新型コロナウイルス感染症拡大の状況を見極めながら慎重に検討を進めるが、まずは家庭菜園やプランター栽培の露地栽培での実証試験を行う計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響でトマト農園での打ち合わせならびにデータ収集ができなかったことと、学会発表がオンライン開催となり旅費を使用していない。また、学生への研究補助作業も発生しなかったことから謝金の使用も無かった。これらについては、認識精度向上と並行してスマートグラスやタブレットへの実装作業・実証実験を行う必要性が出てきたためそれに必要なPCや消耗品費に充当する。
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Research Products
(2 results)