2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K06331
|
Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
曽利 仁 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 准教授 (10353327)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 浩行 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 教授 (00232554)
杉本 大志 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 助教 (40780424)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 自律型ロボット / 水田除草 / ディープラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
水田除草ロボットの実用化に向けては,稲列に沿って走行し,圃場の端まで到達すると折り返して隣接する稲列に進入して走行する必要があるが,現状,圃場の端を認識して旋回することが課題となっており,特に旋回技術を必要としている。稲列直進後の終端で旋回して次の稲苗列に自律的に移行する機能は,人間にとっては容易であるが,除草ロボットには極めて難しく未だに解決されていない。そこで,ディープラーニングを水田除草ロボットに適用することで,人間と同様に周囲の状況を把握しながら次の目的場所まで移動できる完全自律型の除草ロボットを開発できると考えている。 今年度は,水田除草ロボットに搭載したカメラセンサにより取得される画像情報を入力とする稲苗検知システムをディープラーニングにより構築を行った。構築する稲苗検知システムには,入力された画像の中から稲苗の検知・認識を可能とするためにYOLO(You Only Lock Once)をフレームワークとして利用した。 はじめに,稲苗検知システムとして採用したYOLOを学習するための画像データを用意した。画像データの数,種類は稲苗検知・認識の精度に関わるため,稲苗のみが写っている水田中心付近の画像のみだけではなく,畦近くの稲苗画像,コンクリートブロック近くの稲苗画像を撮影した.また稲苗の生長段階により大きさが異なるため,週1回の撮影を5週分,計800枚の静止画像を撮影した.撮影した静止画像は,学習用データ,実験用データに分類し利用した。 学習回数を8000回として,学習データの画像を用いてYOLOの学習を行った。学習時の誤差値は,学習回数が増えるにつれて減少しており収束していることが確認できた。次に,学習時に使用しなかった実験用データで稲苗検知実験を行った.実験結果より,撮影カメラ近くに存在する稲苗は60%ほどの精度で稲苗を検知・認識していることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ディープラーニングは,学習データの量が多いほど精度が向上する特徴がある。しかし,新型コロナウイルス関係上,今年度は種々の水田環境で水田除草ロボットを走行させ稲苗画像の取得が行えていない。学習データとなる稲苗画像の撮影枚数をさらに増加することができれば,稲苗の検知・認識精度が向上できると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず,稲苗検知システムによる稲苗の検知・認識精度を向上させるために,種々の水田環境で水田除草ロボットを走行させ稲苗画像の取得を行い,学習データとなる稲苗画像の撮影枚数を増加させる。また,1枚の稲苗画像より,角度や大きさ,明度など異なる画像も作成し学習のための稲苗画像を準備する。 学習データの数を随時調整し,検知・認識精度の向上を試みる予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により,当初の研究計画が実行できていない。特に,現地での実験を行えていないため,特に除草ロボットのハードウェアに関わる備品が購入出来ていない状況である。 次年度の使用計画として,除草ロボットのハードウェア備品と稲苗検知システム構築のための備品に使用することを計画している。
|