2021 Fiscal Year Research-status Report
光環境撹乱による作物の極早生化機構の解明とスマートアグリへの応用
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20K06343
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
杉本 学 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (20216336)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遠赤色光 / 極早生 / 花成促進遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、赤色光や遠赤色光補光連続照射により起こる大麦花成促進遺伝子FT1発現制御機構を明らかにし早生化や極早生化が起こる分子メカニズムを明らかにするための研究を進める。 昨年度の研究により遠赤色光補光連続照射でFT1遺伝子の発現ピークより約5日前に発現ピークとなるPpd-H1遺伝子について、本年度研究では、蛍光灯+赤色光補光連続照射で早生化し蛍光灯+遠赤色光補光連続照射で極早生化する大麦のうち産地が異なる3品種のPpd-H1遺伝子発現量の経時的変化をリアルタイムPCR法により解析したところ、2品種が遠赤色光補光連続照射でPpd-H1遺伝子の発現ピークがFT1遺伝子の発現ピークより約5日前に出現することを確認した。そこで、Ppd-H1遺伝子プロモーター領域と考えられる開始コドン上流350bp塩基をクローニングした。プロモーター領域をバイナリーベクターにあるGUS遺伝子上流に挿入したプラスミドを作製し、形質転換体(T0)をスクリーニングしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究の推進方策の通り、遠赤色光補光照射で発現量に変化がある開花誘導促進遺伝子ホモログのプロモーター領域をクローニングし、プロモーター領域をGFP遺伝子上流に連結したプラスミドを作製まで進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
スクリーニングして得られた形質転換体(T0)におけるPpd-H1プロモーター領域やGUS遺伝子の導入を確認する。遺伝子導入が確認できた形質転換体(T0)の種子から形質転換体(T1)を栽培し、蛍光灯、赤色光、遠赤色光補光連続照射下で培養した形質転換体のGFP発現量を測定し、蛍光灯、赤色光補光、遠赤色光補光連続照射に対する発現誘導の差や安定性について結論づける。
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