2022 Fiscal Year Annual Research Report
Circular protein production via microalgae cultured with digestate derived from methane fermentation
Project/Area Number |
20K06350
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
遠藤 良輔 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 講師 (10409146)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メタン発酵 / 生物環境調節 / 微細藻類 / タンパク質 / 資源循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,メタン発酵技術・生物酸化技術・微細藻類培養技術を組み合わせた,有機性廃棄物からのタンパク質生産技術の確立を目的として,メタン発酵消化 液を改質した培養液を用いて微細藻類スピルリナを培養し,含有成分のタンパク質を回収する。このとき,生物酸化による改質あるいは培養環境の制御が,有機 性廃棄物からのタンパク質資源転換効率の向上に及ぼす寄与について明らかにする。本年度は、食品残渣を入力とし,スピルリナを出力とする資源循環プロセスを想定し,窒素と炭素の物質収支を調べた。食品残渣をメタン発酵して,さらに生物酸化し、リンを添加してスピルリナを培養する分析実験系を構築した。食品残渣由来の窒素は、約60%が硝酸態窒素として培養液に回収利用可能であった。一方、食品残渣に由来する炭素は、90%以上がメタンまたは二酸化炭素としてガス化された。メタンはエネルギーとして燃焼利用することを想定しており、結果として残渣中の炭素は90%以上が二酸化炭素となることがわかった。スピルリナ培養では,この二酸化炭素は炭酸水素ナトリウムに転換して培養液に溶け込ませて利用することが適していると判断し,炭素源として炭酸水素ナトリウムを培養液に含んだスピルリナ培養実験を行った。再生資源培養液を用いたスピルリナ培養では、標準培地培養液に比べて窒素吸収量に大きな差はないものの、炭素吸収量が小さくなることがわかった。その結果、スピルリナの増加速度は再生資源培養液で低下するが、乾物中のタンパク質の割合は再生資源培養液で高くなった。炭素吸収量が再生資源培養液の利用で小さくなる原因は現時点では不明であるが、再生資源培養液の組成成分が影響している可能性が高い。今後、このメカニズムを解明することが、資源循環型のスピルリナ培養の発展において重要であると考えられる。
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Research Products
(6 results)