2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of basement membrane components on oocyte development in vitro
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20K06372
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
平尾 雄二 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, グループ長 (10355349)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 卵母細胞 / 顆粒膜細胞 / 体外発育 / 基底膜 / コラーゲン / ラミニン / 成長因子 / ウシ |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスとウシの卵母細胞の体外発育培養では、基底膜を取り去った卵母細胞・顆粒膜細胞複合体の培養で良好な成績が得られている。しかし、生体内の発育には劣ることから、何らかの因子が不足しており、それは基底膜(成分)の一部である可能性がある。そこで基底膜の構成成分を培養環境に添加し、卵母細胞への影響を調べた。 主にウシの発育途上卵母細胞・顆粒膜細胞複合体を用い、培養インサートで14日間培養した。培養インサートに基底膜の構成成分(コラーゲンゲル、マトリゲル、ラミニン)を塗布し、複合体に及ぼす影響を比較検討した。対照区の培養インサート(ミリセル)に、基底膜成分のスポットを作り、複合体を培養した。全ての実験区で顆粒膜細胞のドームが形成され、卵母細胞による分化誘導が確認された。次いで、様々な濃度と組み合わせで塗布し、複合体(計378個)を培養した。血清とコラーゲンゲルの混合物では細胞が遊走した結果、卵母細胞は裸化し、遊走を防ぐには200倍から1000倍の希釈が必要であった。さらにラミニン区を加えて比較した結果、卵母細胞の発育においてラミニン区が良好な成績となった。マウスでは顆粒膜細胞の遊走はウシほど問題とならなかった。 サイトカイン・成長因子についてはEGF、TGF-β、PDGF、NGF等の効果を調べたが、それらの添加よりも卵母細胞から放出される成長因子の影響が顕著であった。変性した複合体内の卵母細胞の退行は、成長因子の添加では回復しなかった。卵母細胞由来の成長因子はGDF9とBMP15であるが、GDF9およびBMP15を培養液に添加することで生存率は向上したが、体積の増大率はむしろ低下した。 以上の結果に基づき、成長因子は加えず、ラミニン上で複合体を培養して体外受精を実施したところ、胚盤胞への発生を確認した。
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Research Products
(1 results)