2020 Fiscal Year Research-status Report
Automatic welfare assessment of dairy cows based on OIE code
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20K06376
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
竹田 謙一 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (90324235)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アニマルウェルフェア / 乳牛 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】長野県では国に先駆け、2007年に農場レベルにおけるAWの評価を目指した信州コンフォート畜産認定基準(以下、信州コンフォート)を提案した。しかし、作成から10年以上が経過しており、これまでの間、国際獣疫事務所(OIE)がAWと乳用牛生産システムに関する国際規約を、国内においては、畜産技術協会によるガイドラインが整備された。本研究では、2007年に提案された信州コンフォートの乳用牛AW評価基準に不足する項目を取り入れ、OIE対応のAW評価法を検討した。 【方法】61項目ある信州コンフォートAW評価項目を精査し、重複、不明瞭な項目とともに、安楽死の有無と言った日本の実情に合っていない評価項目を削除して、評価項目へと集約化した。さらに、信州コンフォートの評価項目とOIEに記載されている項目を比較し、重複、またはどちらかにしかない項目を抽出した。また、実用性向上のため、OIE以外(例えば、ならびに、IDFのBest Practice Guide)の各種AW評価指標から必要と考えられた項目を付け加え、スコア化が可能な改良版(以下、本モデル)を作成した。そして、改良前後の評価法の総合スコアを算出し、相関関係を調べた。評価時における行動調査は、舌遊びなどの口部異常行動が発現しやすい摂食後に、2時間、目視で観察した。 【結果】集約した結果、総評価項目数は61項目から45項目へと変化した。さらに、OIE規約から9項目、OIE以外の評価指標から6項目を加え、最終的な肥育牛のAW総評価項目数は60項目となった。改良前後の各評価項目全体に占める割合は、Aは22.9%から35.0%、Bは39.3%から38.3%、Cは37.7%から26.7%と変化した。改定前後の総合スコアに強い正の相関関係が認められた(ρ=0.94、P値=0.045)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OIEの陸生動物衛生規約の内容を盛り込めたので、概ね順調に進行している。今後、民間団体の認証評価項目を参考にしながら、評価項目を洗練化する。
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Strategy for Future Research Activity |
民間団体による認証評価システム、ならびに、整備が整いつつある各国のアニマルウェルフェア評価項目をも盛り込み、改良版を完成させる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により複数農家を多数、訪問できず、旅費の支出がなかった(2020年度は、農学部が所在する南箕輪村内のみの調査)。
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