2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K06383
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
白木 琢磨 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (10311747)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メタボローム / メタゲノム / 豚肉質 / 個体差 / ビッグデータ / 自動化 |
Outline of Annual Research Achievements |
価格競争から質の競争へと変化しつつある国内での畜産物生産を効率よくすすめるためには、将来の人工知能の導入も視野に入れたビッグデータの構築が必要である。そこで、本研究では、肉質判定のための血清メタボローム解析技術の確立とその簡易化を目指した。豚血清を限外濾過と重水添加の2ステップで簡易にNMR測定が可能になった。得られたNMR信号については、これまではサンプル一つずつのピークを定量化し、代謝物の濃度を予測する方法を行ってきたが、本研究では複数のNMR信号を同時に処理する技術を構築することで、解析の高速化を可能にした。また、複数のNMR信号を同時に処理することで、サンプル間でのピークの微妙なズレを補正することが可能になり、ピークを完全にデジタル化することが可能になった。これにより豚の個体差が血清メタボロームにより評価可能となった。 豚の肉質を高めるために給餌飼料を変えて飼育した豚を用い、血清メタボロームによる豚の個体差の評価と得られたロースの肉質分析結果を比較することで、どのような個体差が将来豚肉の高品質化につながるのかを解析した。相関解析は通常線形相関を仮定した解析ツールを用いることが多いが、本研究では機械学習を導入することで複数のパラメータの組み合わせによる非線形なグループ分けを可能にした。その結果、個体差を示すNMRピークのなかに、肉質の良否と相関する代謝物を見出すことに成功した。 令和4年度には血清メタボロームだけでなく、鼻汁メタゲノムも同時に研究を進め、サンプリング方法、次世代シーケンスによる解析方法を確立し、得られた膨大なDNA配列データについて自動処理できるツールを完成させた。鼻汁メタゲノムには肉質だけでなく成長の個体差に相関する微生物が発見され、メタボローム、メタゲノムの両者データベースにより、豚生産に関するビッグデータが整備されたと考えている。
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[Journal Article] Meat Quality Characteristics of Japanese Black Cattle Brand Beef Produced under Eco-Feed Feeding Conditions2022
Author(s)
MATSUHASHI, T., NAKAO, Y., GOTODA, M., KAMEI, T., MIYAMOTO, Y. and SHIRAKI, T.
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Journal Title
Memoirs of Institute of Advanced Technology, Kindai University
Volume: 27
Pages: 7-14
Peer Reviewed / Open Access
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