2021 Fiscal Year Research-status Report
Studies of feline morbillivirus pathogenesis
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20K06389
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
古谷 哲也 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60647676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良和 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (50291159)
中尾 洋一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60282696)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ネコモルビリウイルス / ネコ腎臓病 / 特異抗体検出系 / 交差反応 / 猫糞便検査 / 次世代シークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、ネコモルビリウイルス(FeMV)とイヌジステンパーウイルスのN蛋白質に対する反応性についての論文を作成するための確認実験を進めたが、組換えタンパク質の発現に問題が見つかったため、コンストラクトの再構築を行い実験を進め、現在、論文作成を進めている。また、FeMVに対する抗ウイルス薬の研究では、漢方薬ライブラリーから、抗マラリア作用を持った漢方薬を発見し、同じ薬品が、猫のコロナウイルスに対して抗ウイルス作用を持っていることが発見された(Endo et al., Parasitol Int. 2021. 87:102532) ため、現在、FeMVとA型インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス作用のアッセイを行っている。東京都動物愛護相談センターとの共同研究により、同センターが保護した猫の糞便を用い、次世代シークエンサーにより糞便中のウイルス検出を行ったところ、複数検体よりFeMVの遺伝子配列が検出され、東京都の野外猫におけるFeMV感染の広がりとウイルスの糞便中への排出が明らかになった。さらに、FeMVの病原性についての研究では、前年度に論文発表した研究(Sutummaporn et al., Arch Virol. 2020. 165:2647-2651.)で用いたネコの腎臓組織切片を用い、腎臓組織に対する自己免疫反応について、ネコ血漿を用いた免疫化学染色を用いて実験を行う予定である。2021年度は、国内全体的に、新型コロナウイルス流行によって留学生の来日が遅れ、当研究室も、3人の大学院生が半年~1年間程度の到着の遅れがあり、大学院生が全て留学生である当研究室は、研究に大きな後れが生じた。2022年度は正常に戻りつつあり、予定に沿った研究を目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、当初予定されていたリバースジェネティックス法によるFeMVの組換えウイルス作製につき、組換え申請が遅れたため、その実験ができなかった、加えて、国内全体的に、新型コロナウイルス流行によって留学生の来日が遅れ、当研究室も、3人の大学院生が半年~1年間程度の到着の遅れがあり、大学院生が全て留学生である当研究室は、研究に後れが生じた。2022年度は正常に戻りつつあり、予定に沿った研究を目指す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、当初予定していたリバースジェネティックス法によるFeMVの組換えウイルス作製を開始する。先ず、哺乳動物細胞において、ウイルスの構造蛋白質の発現を行い、その確認を行ってから、ウイルスゲノムRNAの発現を同時に行う事で、組換えウイルスのレスキューを行う。また、ウイルス様粒子の作成による、FeMVに対する特異ワクチンの作製も行い、FeMVだけでなく、他のウイルスやマラリア原虫に対する効果も検証する。現在、漢方薬を用いた抗ウイルス薬の開発を進めているため、FeMVに対する作用をアッセイすると共に、有効成分の精製を行い、抗ウイルス作用機序の解明を目指す。また、昆虫を用いた新しいワクチンや免疫賦活薬の開発を開始しており、システムの確立により、FeMVに対する新たなワクチンと抗ウイルス作用薬の発見と開発を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度に新型コロナウイルスの影響で留学生来日が遅れ、研究に遅延が生じたため、当該年度に予定していた研究計画を2022年度に行う必要が生じたために、研究費を繰り越した。
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Research Products
(7 results)