2023 Fiscal Year Annual Research Report
Drug discovery against ER stress by using a novel luminescence probe sensing ER environments
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20K06391
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
守村 敏史 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 准教授 (20333338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漆谷 真 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60332326)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス / ミスフォールドタンパク質 / 発光タンパク質 / ポリフェノール |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、小胞体内でミスフォールド化しその構造異常により活性低下が誘導される発光タンパク質をベースとした分子プ ローブを作成し、抗小胞体ストレス効果を有する共通のベンゼン環骨格を有する6種の近縁ポリフェノールを抗小胞体ストレスの候補薬 として同定した。これら薬剤は、1)ツニカマイシンによる小胞体ストレス反応を軽減する、2)小胞体に蓄積した変異Myelin Protein Zero del506Tの細胞膜上への輸送を亢進することから、小胞体内のミスフォールドタンパク質の構造改善に広く有効であることが示唆されたが、機能的な回復を解明することはできていなかった。 機能が明らかな細胞膜タンパク質で、培養細胞で簡便に機能解析が可能な実験系を模索した。卵胞刺激ホルモン受容体(FSHR)は卵巣顆粒細胞に発現する膜タンパク質で、細胞外のアミノ酸置換により細胞膜への輸送の障害が生じ小胞体に蓄積する。そこで、ヒトの野生型FSHR及び疾患関連変異体をクローニングし、下流のシグナル伝達系の一つcAMPの産生に対するポリフェノールの効果について解析した。予想外に、野生型及び変異型FSHRの有無に関わらず、これらポリフェノールはそれ自体でレポーター活性を大幅亢進した為、ポリフェノールの変異FSHRに対する機能回復効果の有無は検証できなかったが、これらポリフェノールは細胞内cAMPの産生を促進する機能があることが示唆された。cAMPの産生亢進が小胞体内ミスフォールタンパク質の構造に影響を及ぼすか否か解明する目的で、作出した分子プローブ発現細胞をアデニルシクラーゼのアゴニストであるフォルスコリンで刺激し、発光に及ぼす影響を解析した。しかし、フォルスコリンは分子プローブの活性には影響を及ばすことはなく、同定したポリフェノールはcAMP産生以外の作用により抗小胞体ストレス効果を担っていることが示された。
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