2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of novel mechanism for hepatoprotection by iron overload
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20K06415
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
井澤 武史 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (20580369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 重雄 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (10280067)
桑村 充 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (20244668)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肝鉄過剰 / 脂肪肝 / 炎症 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究成果から,肝鉄過剰は化学物質誘発肝障害(肝毒性)を大きく修飾し得ること,加えてその修飾メカニズムに酸化ストレス(脂質過酸化),ストレス応答(抗酸化反応・解毒代謝能)および細胞死経路(アポトーシス,フェロトーシス)の変化が関わることが示された。今年度は,ヒトの主要な慢性肝疾患の1つである代謝異常性肝疾患(非アルコール性脂肪性肝疾患)に関わる肝鉄過剰の役割を解析した。Western diet(高脂肪・フルクトース添加食)を26週間給餌したラットでは,体重増加と脂質異常症を伴う脂肪肝が認められ,肝小葉内に大小の炎症巣が散見された。これらの表現型はヒトの非アルコール性脂肪性肝疾患の単純性脂肪肝から脂肪性肝炎に相当すると考えられた。Western dietに1% Feを添加したWestern diet+鉄過剰群では,Western diet単独群と比べて,脂質異常症(高トリグリセライド血症,高コレステロール血症)と肝臓の炎症の増悪がみられた。このWestern diet+鉄過剰群では,類洞内のクッパー細胞/マクロファージに強い鉄蓄積が認められ,NFκBの核移行を伴う炎症促進性(Th1型/M1型)サイトカインの発現上昇を伴っていた。また,Western diet+鉄過剰群では,Western diet群と比べて,肝臓の脂質過酸化の亢進も認められた。以上より,代謝異常に基づく脂肪性肝疾患モデルラットにおいて,肝鉄過剰はNFκB活性化を介したクッパー細胞/マクロファージの炎症活性化によって病態の増悪に関わることが示された。
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Research Products
(6 results)