2021 Fiscal Year Research-status Report
Tumorigenesis by transcriptional suppression of Breast cancer 2, early onset (BRCA2) by ANXA2
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20K06417
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
吉川 泰永 北里大学, 獣医学部, 准教授 (00552043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 宣哉 北里大学, 獣医学部, 教授 (20302614)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ANXA2 / BRCA2 / 転写 / プロモーター活性 / 乳腺腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
雌イヌにおいて乳腺腫瘍の発症率は著しく高い。乳腺腫瘍を好発する品種も報告されており、遺伝的な要因が存在すると考えられている。申請者らは、イヌ乳腺腫瘍発症に癌抑制遺伝子Breast cancer 2, early onset(BRCA2)の変異や発現量の低下が関係していることを示した。イヌBRCA2の研究を遂行する過程で、申請者らはBRCA2のイントロンの一部にBRCA2のプロモーター活性を低下させるサイレンサー配列が存在することを明らかにし、この配列と相互作用するタンパク質(転写抑制因子)としてANXA2を同定した。これまでにBRCA2の転写抑制遺伝子として、二つのタンパク質が報告されている。今年度は、昨年度に引き続き、ANXA2によるBRCA2の転写抑制がどのように行われているのか解明することを目標とした。 今年度は、ANXA2を強制発現させたHeLa細胞を作製し、その細胞のmitomycin C (MMC)に対する感受性を調べた。ANXA2強制発現細胞は、MMCに対する感受性に変化は無かった。 次にANXA2をノックアウトしたHeLa細胞(ANXA2-KO細胞)とそのKO細胞にANXA2を相補した細胞(ANXA2-KO-WT細胞)を作製し、解析した。まず、BRCA2のプロモーター活性に与える影響を調べたところ、ANXA2-KO-WT細胞の方がANXA2-KO細胞に比べて有意にプロモーター活性が上昇した。次にGFPを用いた相同組換え修復、および、非相同末端結合の効率を調べたが、いずれも有意な差は見られなかった。またANXA2-KO細胞とANXA2-KO-WT細胞のBRCA2発現量をウエスタンブロットで解析したが、明らかな差は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでANXA2がBRCA2の発現量に影響を与えていると考え、研究を行ってきた。プロモーター活性には影響する結果が得られているが、他の機能解析やタンパク質の発現解析には影響を与えるような結果は得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
このプロモーター活性への影響は現在の条件だとタンパク質の発現量までには影響を与えていない可能性が考えられた。 そこで、BRCA2の発現量が低下するG1期に細胞周期を同調させることで、ANXA2の影響を解析ができる可能性があるので、細胞周期を同調させた実験を実施する。 また、直接的にプロモーター活性に影響するわけでは無く、非直接的にプロモーター活性へ影響を与えている可能性がある。ここでも細胞周期に変化がある事でプロモーター活性が変化することが考えられるので、ANXA2-KO細胞等の細胞周期解析等も行う。
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Causes of Carryover |
2021年度は効率的な予算執行により、3万円程度残した。2022年度にはこの分の消耗品を購入する予定である。
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