2020 Fiscal Year Research-status Report
鶏アデノウイルスの網羅的ORF探索及び病原性発現因子の解明
Project/Area Number |
20K06419
|
Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
藤野 寛 麻布大学, 獣医学部, 講師 (40712617)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原口 智士 麻布大学, 獣医学部, 教授 (30312416)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ニワトリアデノウイルス / ウイルス病原性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では次世代シークエンスの情報を元にしたFAV病原性株及び非病原性株の発現解析によるウイルス遺伝子予測・解析、そしてコスミドベクター系を用いた組み換えウイルスによる病原性関連遺伝子の同定を目的としている。病原性株として使用するJM1/1株は他のFAV株とは異なり、単独感染で病原性を発揮することから、JM1/1株を非病原性株であるCELO株と比較することで、特定遺伝子の配列あるいは発現の違いによる病原性因子同定に用いることが出来ると考えている。 初年度の計画としては、Strand-specific RNAseqによるFAV JM1/1株及びCELO株の転写産物解析及びウイルスORFのクローニング、機能解析を予定しており、実際にRNAseqの結果から複数の新規スプライシングバリアントを含むORFを予測することができた。また、それらのうち、特に機能が判明している既知のORFのスプライシングバリアントを中心に複数の遺伝子をクローニングし、HAタグ付加発現プラスミドを作成した。現在のところ、ウエスタンブロット法による発現の確認、そして間接蛍光抗体法による細胞内局在の確認ができており、また、それぞれのORF由来タンパク質に関して感染時と非感染時での局在の変化を観察している。加えて、複数のORF由来タンパク質を強制発現させた細胞にウイルス接種することで、発現したタンパク質がウイルスの増殖に与える影響を確認した。これまでに複数のORF由来タンパク質がウイルスの増殖を増加・抑制することが判明している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的には研究計画に沿って進んでおり、大きな問題は発生していない。ただし、新型コロナウイルス対策による緊急事態宣言中の実験中断等により一部新規ORFの解析が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も基本的には研究計画に沿って実施していく予定である。それぞれのORF由来タンパク質に対する抗体の作成、siRNAを用いたノックダウンにより各ORFの機能を解析する。加えて、組み換えウイルスの作成による病原性発現機序の解明を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言により一部の実験に遅れが生じたために一部の購入予定だった消耗品の購入を来年度に見送り、次年度使用額が生じた。研究計画に変更はないため、予定した消耗品を購入し研究計画を進める。
|
Research Products
(1 results)