2022 Fiscal Year Annual Research Report
腎糸球体ろ過スリット膜を形成するポドサイトの細胞間シグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
20K06420
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
西木 禎一 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (70423340)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 開口放出 / グルタミン酸 / シナプス関連タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎糸球体ポドサイトは腎臓のろ過機能に重要である。ポドサイトの突起同士がかみ合って形成されるろ過スリットの障害は、腎臓病につながると考えられている。発生学的に中胚葉由来のポドサイトが、外胚葉由来のニューロンと多くの共通点を持ち、シナプス関連タンパク質が発現していることも明らかになってきた。中枢神経系の主な興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸の受容体が、ポドサイトにも発現し、ポドサイトの突起にはグルタミン酸を含む小胞が存在することから、ポドサイト自身からのグルタミン酸分泌が示唆されている。したがって、ポドサイト同士のグルタミン酸を介した情報伝達が、糸球体のろ過機能を制御している可能性が考えられるが、そのメカニズムは不明である。このメカニズムを明らかにし、腎糸球体のろ過スリットにおけるシグナル伝達のしくみを解明しようと研究に着手した。しかしながら、事業計画を申請した時の見込みとは大きく異なり、教育や学生支援ならびに管理運営といった研究活動以外の業務に対して割かなければならない時間が予想をはるかに上回り増大した。それに加えて、2022年度の第7波と第8波を含め新型コロナウイルス感染症の影響を受けた。これらの理由から、計画当初に予定していた研究に対するエフォートを確保することがきわめて難しく、事業期間内に研究実施計画を実施することができなかった。その結果、研究の目的に対し期待する成果は得られなかった。
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