2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Salmonella detection method using a secreted Salmonella protein.
Project/Area Number |
20K06422
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
江口 正浩 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, 上級研究員 (00312215)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サルモネラ感染症 / エライザ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルモネラ症は、ヒトおよび家畜・家きんの人獣共通感染症であり、先進国、開発途上国を問わず発生している。国内の家畜・家きんのサルモネラ症対策は、予防対策・抑制対策・汚染評価であり、行政機関が農場に対して取り組みを働きかけている。サルモネラ汚染を評価する対策として抗体検査が利用されているが、既存の抗体検査では、不活化ワクチンを接種した個体と感染個体との区別がつかなくなるといった科学的な難点が生じてしまう。そこで、本研究は、感染した個体のみを検出できる新規の抗体検査方法を開発し、サルモネラ感染防止対策指針(衛生管理対策)としてモニタリング方法の充実・強化を図ることを目的とする。本研究は、研究実施期間内に、感染個体の抗体のみが反応する抗原を同定し、同定した抗原を用いた新規の抗サルモネラ抗体検査法(エライザ)の開発に寄与させる。本研究成果により、感染個体とワクチン接種した個体の判別が可能となるだけでなく、感染防止対策(ワクチン接種)後もサルモネラ感染状況の把握が可能となる。本年度は感染個体の抗体のみが反応する抗原の探索を行った。 Salmonella enterica serovar Typhimurium (S. Typhimurium)由来の7個のタンパク質を候補抗原とし、大腸菌を用いて組換えタンパク質を作製した。それらの組換えタンパク質をマウス感染血清およびマウス不活化ワクチン接種(死菌)血清を用いてエライザを行ったところ、6個の組換えタンパク質が感染個体の血清に対して優位に反応することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
候補抗原の作製・精製として、大腸菌を用いた組換えタンパク質を作製した。組換えタンパク質の作製(遺伝子のクローニング、大腸菌による目的のタンパク質の発現、抽出、精製)は予定通り遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
候補抗原(作製した6個の組換えタンパク質)を用いたエライザ法の2次抗体をIgMおよびIgA、IgG1, IgG2a, IgG2bを使って測定・解析する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により入荷遅延や生産延期のため一部の試薬を次年度に再発注することとした。
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