2020 Fiscal Year Research-status Report
獣医療における過酸化チタンナノ粒子を用いた新規・高精度放射線増感療法の開発
Project/Area Number |
20K06430
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長田 雅昭 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (00836893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
椋本 成俊 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (70634278)
宮脇 大輔 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (30546502)
赤坂 浩亮 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20707161)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 放射線増感 / 放射線応答 / 肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療は人医療だけでなく、獣医療でも有効ながん・肉腫の治療手段である。獣医療分野では放射線照射の分割回数を増やせば、全身麻酔回数が増え、疾患動物への負担や侵襲も大きくなるという問題がある。放射線治療は、細胞に対して外因的にエネルギー付与により水の電離を介して活性酸素種(Reactive Oxygen Species, ROS)の発生が細胞傷害性を導くが、がん細胞自体も内因性のROSを持続的に発生し、その消去にためにグルタチオンやカタラーゼなどの還元系酵素の活性が上昇しており、通常のX線照射で発生するROSだけは相殺されてしまうため事が腫瘍の放射線抵抗性の原因と考えられる。この課題を解決するためには、①増感作用のある物質を腫瘍に局所投与し照射を行い、ROSの発生を著名に増加させ放射線増感作用を上昇させる、②強度変調放射線治療IMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy)を駆使して照射線量の腫瘍への集中性と総線量の増加、重要臓器への照射線量の低減等が想定されるが、いずれにおいても一回線量を増加させて分割回数を減らしても同等以上の効果が期待できる。申請者らは独自過酸化チタンナノ粒子をがん細胞内に取り込ませX線照射によりROSの著明な発生によって培養細胞やマウス腫瘍モデルにおいて優れた併用効果を確認しているが、今回の申請では種々の肉腫や猫の口腔内扁平上皮癌などの難治性腫瘍に罹患している犬や猫の実際の臨床例における過酸化チタンナノ粒子とIMRT技術を融合させた高精度放射線増感療法の開発とその検証を目的としたが、 本年度の研究成果は、過酸化チタンナノ粒子が免疫放射線療法を著明に増感させ、これまでにない治療効果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的を達成するための研究方法として以下の3項目を提案したが、① IMRT技術と過酸化チタンナノ粒子の併用療法の有効性の検討(プランニングスタディ)に関しては、疾患動物のCT画像を用いてIMRTを計画し、線量パラメータを従来法と比較し、過酸化チタンナノ粒子の腫瘍部での増感された生物学的線量を算出する。予定であったが、疾患動物を用いた実験は困難であったため、マウスなどを用いて検討を実施した。②過酸化チタンナノ粒子の安全性と至適投与量の決定に関しても同様に、マウスなどを用いて検討を実施した。③過酸化チタンナノ粒子併用放射線照射の分割方法の検討に関しても、同様に、マウスなどを用いて検討を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の検討では、ヒト膵臓がん培養細胞や、ヒト膵臓大腸がん培養細胞を用いて、過酸化チタンナノ粒子の放射線増感効果をIn vitro、およびin vivoで確認してきた。本研究計画の成功には、過酸化チタンナノ粒子の大きさや正常、有機分子の大きさや特異性などによって大きく異なることが予想される。本年度はコロナウイルス感染症などの影響もあり、十分な実験ができなかったが、状況が整えば、さらに研究計画を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症に対する施設利用制限やルールの変更、及び研究補助者の出勤停止などが重なり、研究を計画通りに遂行する事が困難であった。
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Research Products
(10 results)