2022 Fiscal Year Research-status Report
CFTR gene polymorphism in hepatobiliary pancreatic diseases of dogs
Project/Area Number |
20K06433
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
馬場 健司 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (90452367)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 犬 / CFTR / 胆嚢粘液嚢腫 / 胆嚢炎 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(cystic fibrosis transmembrane conductance regulator: CFTR)の遺伝子多型についてさらなる解析を実施した。前年度までに検出された6種類のアミノ酸置換を伴う遺伝子多型のうち,ある1種類の遺伝子多型が,化膿性胆嚢炎において胆嚢粘液嚢腫罹患犬や非胆嚢疾患犬と比較し有意に保有率が高いことが明らかになった。この遺伝子多型は,前年度の培養細胞を用いた解析においてイオンチャネル機能が低下することが明らかになっており,化膿性胆嚢炎の病態に関与していることが示唆された。一方,2種類の遺伝子多型に関しては,その後の確認実験により次世代シーケンス解析におけるアーチファクトであることが明らかになったため,その後の解析対象から除外した。また,胆嚢組織におけるCFTR遺伝子転写産物の解析を実施した結果,慢性胆嚢炎の1症例において20番目のエクソンを欠損した転写産物(エクソン20のスキッピング)が検出された。この症例では,イントロン19に存在するスプライスアクセプターサイトに一塩基変異が認められ,この変異がエクソンスキッピングの原因と考えられた。胆嚢疾患罹患犬においては,それ以外のCFTR遺伝子のスプライシング異常は認められなかった。本研究を通じてアミノ酸の変化を伴う5種類のCFTR遺伝子多型が同定されたが,これらの遺伝子多型を簡便かつ低コストで同時に解析する手法を確立した。これにより,これらの複合遺伝子多型と胆嚢疾患との関連性が解析可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CFTR遺伝子の複合多型と胆嚢疾患との関連性について解析に至っていない。また,これまでの成果をまとめた論文が投稿準備段階であり,発表に至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に確立した複数の遺伝子多型を同時に解析する手法を用いて,CFTR遺伝子の複合多型と胆嚢疾患との関連性について解析する。また,これまでの成果を論文として発表する。
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Causes of Carryover |
予定していた一部の解析と論文発表が遅延しているため。次年度使用額は,未実施の解析および論文発表に使用する。
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