2020 Fiscal Year Research-status Report
不妊マウスから単離された新規原因遺伝子Adamtsl2による卵巣機能制御の解明
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20K06470
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
辻 岳人 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (90314682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 拓哉 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60557768)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Adamtsl2 / 卵巣 |
Outline of Annual Research Achievements |
Adamtsl2タンパクの正常マウス卵巣における局在を明らかにすることを試みた。複数の市販抗Adamtsl2抗体による免疫組織化学染色において、クエン酸処理や酵素処理などの各種の抗原賦活化による条件を検討し、さらに増感処理による感度の向上を試みた。しかしながら、Adamtsl2遺伝子変異をもつミュータントマウスと正常マウスの卵巣での反応比較から、一定の陽性反応は得られるものの特異性が十分と言えるシグナルを得ることができなかった。そのため、市販の抗体を用いた実験は中断し、組換えタンパクを抗原としたポリクローナル抗体作成にむけ、Adamtsl2遺伝子のC末側の複数領域についてcDNA断片をタグ付き発現ベクターへクローニングを実施した。今後、これらの組換えタンパクを抗原としたポリクローナル抗体の作製を進め、これまでの抗体では得られなかった信頼性の高い結果を得ることに取り組むこととした。 ADAMTSL2タンパクとの相互作用因子の同定にむけ、プルダウンアッセイのためにAdamtsl2の全長および各ドメイン領域のcDNAクローニングを実施した。現在までに全長cDNA以外のものはクローニングを終えている。一方、全長cDNAの増幅にむけてはPCRの様々な条件検討を現在実施している。また、相互作用因子の同定に使用する最適な組織を決定するため、卵巣を含めた生殖機能に関連する組織におけるAdamtsl2遺伝子発現量の比較を実施し、高い発現がある特定組織の絞り込みを終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Adamtsl2の局在および発現解析に関する研究で予想外に結果が得られておらずやや遅れている判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
Adamtsl2遺伝子の卵胞発育過程での発現パターンを明らかにするため、in situ ハイブリダイゼーションを実施する。また、前年度より実施している組換えタンパクにより作製した抗体を用いて、ADAMTSL2タンパクの卵巣内の局在を解析する。加えて、正常マウスとミュータントマウスの卵巣における細胞外マトリックスの局在およびTGFβシグナルの活性化レベルの比較を実施する。また、昨年から引き続きプルダウンアッセイおよび新たに作製した抗体による免疫沈降を実施し、相互作用タンパクの解析を実施する。
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Causes of Carryover |
抗Adamtsl2抗体に関する特異性の検証に時間がかかりすぎたため、その他予定していた細胞外マトリックスの局在解析およびAdamtsl2遺伝子の卵胞発育過程での発現解析は実施でなかった。そのため、はこれらを実施するため、予定していた予算を次年度に使用することとなった。
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