2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the regulatory mechanism of Xkr4 scramblase activity
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20K06486
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
圓岡 真宏 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (70736412)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スクランブラーゼ / リン脂質 / Xkr4 / "eat-me" signal / CRISPR / XRCC4 |
Outline of Annual Research Achievements |
アポトーシス細胞の表面に提示されるホスファチジルセリン(PS)は、”eat-me” signalとしてマクロファージにより認識される。研究代表者が所属するグループではこれまでに、PSを細胞表面に露出するスクランブラーゼとしてXkr8を同定している。また、Xkrファミリーの中でも脳に特異的に発現しているXkr4もスクランブラーゼ活性を示すが、その活性化機構と生理的役割はわかっていない。本年度はXkr4の活性化因子としてXRCC4を同定したので、それによるXkr4の活性制御機構を明らかにし、その結果を論文発表した。具体的には、XRCC4は通常核内のDNA修復複合体として機能しているが、アポトーシスにおいてカスパーゼにより切断されると、その切断断片が細胞質に放出され、細胞膜におけるXkr4に直接結合して活性化することが明らかになった。また、これまでの結果をもとにカスパーゼによって切断されない変異をXRCC4の遺伝子座に導入したノックインマスを樹立した。これらのマウスは順調に生育しており、次年度からはノックインマウスの行動解析を行い、既に得られているXkr4KOマウスの行動解析結果と比較して今後の方策を検討する。さらに、Xkr4KOマウスを詳細に解析していく中で、下垂体ホルモンの分泌異常が認められた。免疫組織学的解析から、Xkr4の発現は下垂体よりも、その上流のホルモン分泌の制御中枢である視床下部で特に発現が強く認められたことから、今後は視床下部に注目して、Xkr4の役割を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、Xkr4の活性制御因子として機能的スクリーニングによりXRCC4を同定し、その詳細な活性制御機構を明らかにし論文発表した。これらのことから、分子レベルでの理解は十分進んだと考えているが、生理的役割についてはまだ解析が十分ではない。これを解析するため、XRCC4の変異マウスを作製を試み、その作製も順調に進んでおり、将来的な行動解析までの見通しが立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
カスパーゼによって切断されない変異XRCC4ノックインマウスの行動解析を行い、既に得られているXkr4KOマウスの行動解析結果と比較して検討を行う。また、ホルモン分泌制御を明らかにする目的で、視床下部におけるXkr4の役割を解析する。
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Causes of Carryover |
コロナの蔓延の影響で、実験計画にずれが生じたため。また学会発表の参加の機会が無くなったため。
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Research Products
(4 results)