2020 Fiscal Year Research-status Report
Structural and functional analysis of FANCM-CENP-SX complex
Project/Area Number |
20K06512
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
西野 達哉 東京理科大学, 基礎工学部生物工学科, 准教授 (50533155)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 染色体分配 / DNA修復 / X線結晶構造解析 / 生化学 / タンパク質-DNA複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
FANCMは真核生物DNA損傷認識に関与し、複合体形成を介してFanconi貧血 (FA) 経路を活性化する。MHF(CENP-SX)はFANCM結合成分の1つであり、ヒストンフォールドDNA結合ドメインを含む。FANCM-MHF相互作用の消失は、FA経路の活性化を低下させ、染色体不安定性をもたらす。したがって、FANCM-MHF複合体の形成は機能にとって重要であるが、その性質はほとんど解明されていない。 本年度は、FANCM-MHF複合体の安定性の分子的および構造的基盤を明らかにすることを目的とした。ニワトリFANCM (MHF相互作用領域)、MHF 1及びMHF 2を含む組換え三者複合体を発現し、精製した。精製した三成分複合体を種々の条件下で結晶化し、類似の結晶化条件から三つの異なる結晶を得た。一方の結晶はFANCM-MHF複合体を含むが、他方の結晶はFANCMを含まないMHF複合体を含むことが判明したため、FANCMがMHFからどのように解離するかをさらに調べ、2-メチル-2, 4-ペンタンジオール (MPD) と酸化的環境の存在がFANCMの放出を促進した可能性があることがわかった。しかし、これらの条件下では、MHFの複合体は維持されていた。FANCM-MHF相互作用は疎水性/親水性相互作用が混在しており、ニワトリFANCMはこの領域内にいくつかの非保存システインが存在し、それによって他のFANCM-MHF分子との凝集を引き起こす可能性が考えられた。これらの結果は、FANCM-MHF複合体が特定の条件下によって解離するという予想外の性質を示していた。今後はより安定な複合体調整を目指し、コンストラクトの改善を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を論文として公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究計画に則り、DNA複合体の結晶構造解析解明に向けて塩基配列の最適化、生化学的解析を行う予定である。
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Research Products
(9 results)