2022 Fiscal Year Research-status Report
ユビキチン様タンパク質MNSFβの糖代謝制御によるがん細胞増殖調節機構の解明
Project/Area Number |
20K06546
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中村 守彦 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (20155865)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ユビキチン様タンパク質 / マクロファージ / 糖代謝 / 分子シャペロン |
Outline of Annual Research Achievements |
Monoclonal nonspecific suppressor factor β (MNSFβ)は多くの組織で恒常的に発現しているユビキチン様タンパク質で、免疫抑制、アポトーシス、細胞増殖などの制御に深く関与している。これまでのところ、MNSFβによる糖代謝の制御機構については、我々を含めて全く研究されていない。本研究では、マウスマクロファージ様細胞株Raw264.7を用いて、MNSFβによる糖代謝制御について分子生物・生化学的に解析した。 Raw264.7細胞をMNSFβsiRNA処理するとグルコーストランスポーター膜タンパク質glucose transporter 1 (GLUT1) の発現抑制を観察した。MNSFβsiRNAはLPS (1 μg/ml)刺激で上昇するRaw264.7細胞のGLUT1発現を抑制することから、糖代謝制御を介した炎症反応への関与が示唆された。また、この制御には分子シャペロンHSC70が凝集性の強いMNSFβの正しい折りたたみをサポートすることを明らかにした。これらの作用機序によるMNSFβのがん細胞増殖調節機構について検討を続ける。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画の通り実施したが、予想外の実験結果によりその計画を超えた研究を遂行することとした。例えば細胞レベルでの、MNSFβと分子シャペロンHSC70の物理的な関わりの証明は、本研究課題を実施する上で重要な知見となる。従って、当初計画より研究期間を要するが、意義のある研究計画の追加であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
記理由に記載した通り、MNSFβと分子シャペロンHSC70の物理的な関わりの証明するために、各々のタンパク質にタグを付けた蛍光顕微鏡による研究を遂行する。それに伴い、本研究を完結すべく、MNSFβのがん細胞増殖調節の機序を分子生物学的に解明する。
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Causes of Carryover |
研究計画の通り実施したが、予想外の実験結果によりその計画を超えた研究を遂行することとした。例えば細胞レベルでの、MNSFβと分子シャペロンHSC70の物理的な関わりの証明は、本研究課題を実施する上で重要な知見となる。 今年度は、MNSFβと分子シャペロンHSC70の物理的な関わりの証明するために、各々のタンパク質にタグを付けた蛍光顕微鏡による研究を遂行する。それに伴い、本研究を完結すべく、MNSFβのがん細胞増殖調節の機序を分子生物学的に解明する。
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Research Products
(3 results)