2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of DNA synthesis-activated proteolysis for genome integrity
Project/Area Number |
20K06547
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
西谷 秀男 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (40253455)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゲノム / DNA複製 / タンパク質分解 / Cdt2 / PCNA |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では、1)DNA結合領域DBDの寄与を調べるため、Mazian博士らとシミュレーション解析を行いhelix turn helix 構造をとることが予測された。DBD(450-550)領域を欠失したCdt2を作成し、レーザー照射部位への集積実験を行なったがPIP-box依存性への影響はなかった。2)PCNAとの結合を抑制するCdt2のリン酸化部位を18箇所から限定するため、PCNAのモノユビキチン化をもとに解析を進めた。論文にて報告されたCDKターゲットの6箇所(Cdt2(6A))とPIP-box近傍の5箇所(Cdt2(5A))変異体を発現すると、どちらも18Aに比べて半分程度に低下した。Cdt2(6A)の安定発現細胞が取得でき、これらはS期初期での結合を抑制する様子が見られた。3)Cdt1の分解系が壊れると再複製が起こる。この過程でカルシウムイオンの増加を検出した。 本研究では、Cdt2のC末領域のPIP-boxとDNA結合領域DBDの働きを、レーザーにて局所的にDNA損傷を起こした部位(PCNAで検出)に集積する様子をライブで観察するシステム(神戸大学菅澤研)を利用する系を立ち上げた。DBDよりもPIP-boxが集積に寄与することが分かった。また、このシステムを利用して、N末部位だけでもG1期に弱いが集積を観察したので、基質認識領域として機能することが示された。CDKによるCdt2のリン酸化はPCNAとの結合を阻害する。まず、抑制に関わる部位をC末側に限定した。さらに、質量分析によって報告された6箇所変異では、S期初期に結合の抑制効果が見られ、S期進行に伴い抑制的なリン酸化がさらに増加することが考えられた。また、Cdt2阻害がもたらす再複製に伴う細胞応答を調べ、カルシウム濃度の上昇を捉えた。再複製によるDNA損傷から細胞を守る応答ではないかと期待される。
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Research Products
(4 results)