2022 Fiscal Year Research-status Report
抗転移細胞で特異的に発現するタンパク質の分子機序解明
Project/Area Number |
20K06554
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
富田 毅 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (20302242)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 細胞外RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトZC3Hタンパク質には58kDaアイソフォームと36kDaアイソフォームの2種類のアイソフォームが存在する。このうち、36kDaアイソフォームは293T細胞での過剰発現系構築および、細胞抽出液からの目的タンパク質精製が比較的容易である。例えば、精製タンパク質を用いたEMSAによる核酸結合アッセイを行うためには、36kDaアイソフォームの場合、10cmディッシュ20枚の293T細胞で可能であるのに対し、58kDaアイソフォームの場合は10cmディッシュ100枚の細胞が必要である。これまでの研究はすべて、36kDaアイソフォームでデータを取得してきた。しかし、実際に生体内で機能しているのは58kDaアイソフォームであるので、ZC3Hタンパク質の機能実験は58kDaアイソフォームで確認しなければならない。ZCタンパク質と結合するタンパク質との相互作用には、58kDaアイソフォーム特異的配列が関与しているとされている。本年度は、58kDaアイソフォームを精製し、IL1bRNAとの結合をEMSAで確認した。さらに蛍光相関分光法(FCS)およびゲルろ過によるタンパク質-RNA結合の検討を行うために58kDaアイソフォームの精製を行っている。精製の第一段階である、タグ抗体カラムによる精製を、これまでに何度か行っているが、精製タンパク質が全く得られないという事象が発生しており、問題となっている。現在、安定的に精製タンパク質を得るためのトラブルシューティングを行っている。ゲルろ過カラムは、高分子の分離に適用できるものがなかったため、新たに導入することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲルろ過カラムの調達が遅れてしまったため、一部の実験が次年度になったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ゲルろ過カラムが2023年5月末には入手可能となるので、カラムが調達でき次第、ゲルろ過の実験を行う。
|
Causes of Carryover |
一部の物品が国内在庫がなく、納入時期が2023年5月末であることが、2022年の時点で確定していたため。
|