2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K06568
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
遠藤 彬則 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 主任研究員 (50796844)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プロテアソーム / タンパク質分解 / プロテオミクス / ユビキチン創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロテアソームは、細胞内の異常タンパク質や不必要なタンパク質を選択的に分解することにより広範な生命現象を制御している。一般的に、プロテアソームはユビキチン化されたタンパク質を選別し分解すると考えられており、ユビキチン化を介さないプロテアソーム分解の分子機構や生物学的な重要性は未だに不明瞭である。特に、ユビキチン非依存性プロテアソーム基質(Ubiquitin Independent Substrate : UIS)の全体像はほとんど理解されていない。そこで、本研究は、それら基質の網羅的同定、個々の分解基質の機能解析を通じて、これまで見過ごされてきた「ユビキチン非依存的プロテアソーム分解機構」の分子メカニズムを解明することを目的としている。 2022年度は、本研究課題で同定した新規UIS基質であるUIS1と同じ転写因子ファミリーに属し、類似の立体構造を示すUIS2、UIS3の解析を行った。UIS1同様に両者が細胞内でユビキチン非依存的にプロテアソームにより分解されたことから、これらが共通して持つhelix-loop-helix構造がその分解機構に寄与することが示唆された。 また、研究期間全体を通じて、本研究課題で改良したプロテオーム解析法を応用し、標的タンパク質分解誘導剤PROTACs(proteolysis-targeting chimeras)などの分子メカニズム解析や新型コロナウイルスのサブタイプごとの毒性評価の研究遂行に大きく貢献した。
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Research Products
(5 results)