2023 Fiscal Year Research-status Report
Unravelling the mechanism of the bacterial flagellar hook polymerization dependent on the hook-capping protein
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20K06581
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
松波 秀行 沖縄科学技術大学院大学, 生体分子電子顕微鏡解析ユニット, スタッフサイエンティスト (80444511)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 細菌べん毛 / フック / フックキャップ / X線結晶構造解析 / クライオ電子顕微鏡 / サルモネラ菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌べん毛フックが重合する仕組みを分子レベルで明らかにするために、フックの先端で重合を助けるフックキャップの構造機能解析を行ってきた。細胞内から運ばれてきたフックの単量体がフックの先端で効率的に重合する仕組みはユニークな分子機構である。これまでの研究期間内で、サルモネラ菌由来のフックキャップのX線結晶構造を明らかにし、フックキャップの形成と効率的にフックを重合させる機能を分子レベルで解析した論文を報告している。フックキャップのX線結晶構造解析で明らかになった構造には、フックとの相互作用に関わる領域の構造に不明瞭な点が見られた。そこで、結晶化の影響を受けていないフックキャップの立体構造をクライオ電子顕微鏡解析で明らかにし、フックキャップの構造的な特徴からフックを重合させる機能を理解することにした。昨年度に引き続き、サルモネラ菌由来のフックキャップのクライオ電子顕微鏡法による構造解析での問題解決に取り組んできた。クライオグリッド中でのフックキャップ分子の方位が一定の向きに偏る問題を解決するために、氷包埋の直前に低分子化合物などの添加剤を加えてクライオグリッドを作成し撮影した画像データの単粒子解析で評価した。加えて、野生型フックキャップの表面に露出しているループ領域に変異を導入したKQ変異型フックキャップの単粒子解析での比較によって、氷包埋した際にタンパク質の表面電荷が分子の配向に与える影響を比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サルモネラ菌フックキャップのクライオグリッドを作成する際に分子が一定の向きに揃う問題の改善を期待して、界面活性剤等の低分子化合物の添加剤の影響を調べた。これまで有効な化合物を見出すことができず、三次元再構成するに必要な画像データが十分に取得できなかった。そこで、サルモネラ菌フックキャップのクライオグリッドの作成条件の最適化と並行して、サルモネラ菌以外の候補とて予定していた細菌由来のフックキャップのクライオ電子顕微鏡構造を解析するために、タンパク質高発現用のプラスミドの構築および大腸菌での発現と精製を進めてきた。そのうち、好熱菌由来のフックキャップの大腸菌内で十分に発現が見られず、クライオ電子顕微鏡解析に向けてフックキャップ五量体として精製できるように改善を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度に繰り越した予算内で、構築した好熱菌由来フックキャップの発現系他を用いて、フックキャップの精製とクライオ電子顕微鏡法による構造解析を進める。サルモネラ菌フックキャップは大腸菌内での大量発現が可能であったことが、五量体として精製することができた主な理由であると考えている。そのため、五量体からの単量体への解離を抑えるためには高熱菌他由来のフックキャップの十分な発現量が必要で、コドンバイアスの低減など遺伝子レベルで発現を最適化することが有効である。また、サルモネラ菌フックキャップで行った表面極性残基への変異導入などと組み合わせてグリッド作成条件の最適化とクライオ電子顕微鏡法による構造解析を進める。
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Causes of Carryover |
令和4年度は他業務に費やす時間が大幅に増加した結果、本研究に費やす時間を十分に確保できず、計画した実験のいくつかは完結できなかった。そのため、最終年度であった本課題の研究期間の延長を依頼して、次年度に研究の実施と総括を行う。
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