2020 Fiscal Year Research-status Report
アクチン繊維を極性揃えて配向させる植物ミオシンの新規機能の解明
Project/Area Number |
20K06583
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 光二 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (50302526)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミオシン / アクチン / 分子モーター / 原形質流動 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミオシンXIとアクチン繊維との相互作用により植物細胞内の原形質流動が自律的に生じる可能性が示唆されているが,その分子機構については不明である。最近,研究代表者はシャジクモのミオシンXI-4, シロイヌナズナのミオシンXI-2は,それぞれ空間制御なし,空間制御下においてアクチン繊維と相互作用するだけで極性揃えて配向させることを発見した。本研究においては,通常の平板ガラス基板および植物細胞を模倣した3次元空間制御を施した基板を使ったin vitro 運動アッセイ解析,タンパク質変異実験,AFM,などにより,ミオシンXIが持つアクチン繊維を極性揃えて配向させる機能の分子レベルでの解明が本研究の目的である。 2020年度においては、「シャジクモのミオシンXI-4 (ミオシンXI-4)による空間制御なしにおけるアクチン繊維の極性揃えた配向」において研究の進展があった。ミオシンXI-4は、アクチン繊維を繊維軸に対して右⽅向にカーブしながら円軌道を描くように動いていることがわかった。そして、集団運動において右方向にカーブ運動しながら動くアクチン繊維同士の相互作用により、一定方向に運動するアクチン繊維の集団を形成することがわかった。一方、ミオシンXI-4のパラログであるミオシンXI-3は通常のミオシンと同様に右⽅向にカーブ運動を引き起こさず、一定方向に運動するアクチン繊維の集団を形成しなかった。ミオシンXI-4とミオシンXI-3はアミノ酸配列が非常に良く似ているが、運動様式に関しては大きな違いがある。このわずかなアミノ酸配列の違いが運動様式の違いを引起していることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大を受けて、大学、研究室においても感染防御のため7月までは研究員、大学院生の大学入稿が禁止されたために7月まで研究が一斉にストップした。7月以降は段階的に規制が解除され徐々に研究を開始したが、引き続き感染防御に重点をおき3密防止をしながら研究室を運営する必要があったので、研究室への人員も制限しながら研究を行っていたため、研究の進展が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年、1年間で新型コロナの感染対策しながら、効率的に研究を進めていく術がわかってきた。具体的には、「窓をできるだけ開け、マスク必須、無駄な会話はしない、論文の購読や執筆など、自宅でもできる作業は自宅でおこない研究室の人口密度を下げる、セミナー、議論はZoomで行う」などである。今後さらなる感染爆発がおこり、大学への入構規制が怒らない限りは、感染防御と研究が両立しうると考ええいる。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大を受けて、大学、研究室においても感染防御のため7月までは研究員、大学院生の大学入稿が禁止されたために7月まで研究が一斉にストップした。7月以降は段階的に規制が解除され徐々に研究を開始したが、引き続き感染防御に重点をおき3密防止をしながら研究室を運営する必要があったので、研究室への人員も制限しながら研究を行っていたため、研究の進展が遅れたため。
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