2022 Fiscal Year Annual Research Report
一細胞フェノーム取得技術の大規模並列化に関する基盤的研究
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20K06584
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大貫 慎輔 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任助教 (80739756)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞形態 / 出芽酵母 / DNA barcode / Bar-seq / FACS |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、前年度までの研究で見出された課題への取り組みと、当初予定していた研究の両方を進めた。 前年度の課題として見出された株の検出力の問題について検討した。まずシーケンス後に検出されない株があることについて、検出されなかった株を個別に培養してDNA抽出したところ、シーケンス時に使用したプライマーを使用して問題なくDNAが増幅されたことから、プライミングサイトの変異が原因である可能性は低くいと考えられた。次に、プールド培養液の培養条件が株の検出と測定精度に与える影響を調べた。セルソーターで細胞を分取する前と後の培養条件を変えて検討したところ、分取前に培養しない場合では他に比べてより多くのアンプリコンがシーケンスにより検出され、これに加えて細胞の大きさの測定精度が向上した。これらのことから、セルソーターで細胞を分取する前の培養が株の検出と測定精度に影響を与えていると考えられ、分取前の培養は必要ないと結論付けた。 当初の研究計画で予定していた研究として、GFPを導入した株にiIACSを使用する実証実験を行った。GFP導入株のうち特徴的な形態をもつ6株を選別し、特に顕著な形態異常を示すapq13Δ株を対象として他の株とiIACSによって判別可能かどうか検証した。まず6 株の細胞の撮影実験を3回繰り返し、1回目と2回目の撮影実験により得られた6 株の画像の中からapq13Δ株を細胞形態に基づいて判別する機械学習モデルを作成した。次に、作成した判別モデルに基づいて、98%の判別閾値を設定し、3回目の撮影実験により得られた画像からapq13Δ株の細胞とそれ以外の株の細胞を判別したところ、92.71%の高い正確度で判別することができた。 これらのことから、GFPを導入した酵母株にiIACSを使用することで形態的特徴に基づいて酵母細胞を分取可能であることが実証された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Intelligent sort-timing prediction for image-activated cell sorting.2023
Author(s)
Zhao Y, Isozaki A, Herbig M, Hayashi M, Hiramatsu K, Yamazaki S, Kondo N, Ohnuki S, Ohya Y, Nitta N, Goda K.
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Journal Title
Cytometry A
Volume: 103
Pages: 88-97
DOI
Peer Reviewed
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