2020 Fiscal Year Annual Research Report
クライオ電子顕微鏡によるヒト心筋細いフィラメントの高分解能構造解析
Project/Area Number |
20K06588
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 高志 大阪大学, 生命機能研究科, 特任准教授(常勤) (10582611)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | クライオ電子顕微鏡法 / 筋肉 / アクチン / トロポニン / 細いフィラメント / 心筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋や心筋の筋収縮・弛緩は細胞内カルシウムイオン濃度([Ca2+])によって制御されている。筋収縮・弛緩は太いフィラメントを構成するミオシンの頭部がアクチン・トロポニン・トロポミオシンからなる細いフィラメントと結合解離を繰り返すことで引き起こされる。神経からの電気信号により筋小胞体から放出されたCa2+はトロポニンに結合し、トロポミオシンを移動させてアクチン分子表面のミオシン結合部位を露出させ、ミオシン-アクチン相互作用を可能にして両者の滑り運動が開始すると考えられている(立体障害説)。このメカニズムを原子レベルで明らかにするために、我々はこれまでに、分解能5~7オングストローム分解能でカルシウム2状態の構造解明を行い2020年にNature Communicationsに発表した。この分解能をさらに原子レベルの分解能(3オングストローム)に向上し原子レベルの動態を追究するために本年度導入された最新鋭のCRYO ARM300(JEOL)によりデータ収集を行った。また、データ収集にのぞむにあたって、氷包埋試料のさらなる最適化検討を行った。具体的には添加する界面活性剤の濃度や種類の検討を行った。CRYO ARM300は冷陰極型電界放出銃を備え非常に質の高い電顕像を得ることができる。また、自動化が高度に進んでいるため、効率的に品質の高い画像を大量に取得できる。カルシウム存在下・非存在下の2状態の画像データをCRYO ARM300によりそれぞれ7000枚ずつ取得した。
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