2022 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム編集を利用した非コードDNAによるインスレーター機能の解析
Project/Area Number |
20K06602
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂本 尚昭 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (00332338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟津 暁紀 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (00448234)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インスレーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではゲノム編集を利用して、インスレーターの物理的特性と作用機構を明らかにすることを目的とした。 CRISPR-Cas9システムにより導入される小規模な変異でArsインスレーターの機能欠失を導入するのが困難であったため、より広範囲の欠失変異導入が可能なCRISPR-Cas3システムのウニへの適用を試みた。構成因子が連結したCascade mRNAもしくは別々のmRNAをウニ胚に導入したがどちらにおいても成功に至らず、ガイドRNAの作製法等にさらなる改善が必要なことがわかった。 さらに、ノックインを利用した機能欠失を目指した。HDR修復用のドナーベクターに加え、MMEJ修復用のドナーベクターをCas9 mRNAおよびsgRNAとともにウニ卵に共導入したが、いずれのドナーベクターの場合でもPCRによりノックイン産物は検出されるものの、その効率は非常に低かった。ドミナントネガティブ型DNA Ligase IV mRNAの共注入、Cas9ニッカーゼ(nCas9)の適用や、NHEJ阻害剤存在下での培養も試みたが、現在のところ顕著な効率改善は得られず、さらなる条件検討が必要であると考えられた。 Arsインスレーター(578 bp)の物理的特性とインスレーター活性の相関を調べるために、比較対象となる5つのラムダDNAを用意した。これらの配列はポリアクリルアミドゲル電気泳動において異なる移動度を示し、エンハンサーに対する効果も異なることが明らかとなった。さらに、約2000 bpのラムダDNA配列を用いるとエンハンサー活性が大きく低下したが、内在のHpArs遺伝子ではエンハンサー/プロモーター間は約2000 bp離れている。したがって、HpArs遺伝子の内在の配列にはエンハンサー/プロモーター間のコミュニケーションを円滑にするための特性があると考えられる。
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Research Products
(2 results)