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2022 Fiscal Year Research-status Report

Studies on the mechanisms of ascidian fertilization

Research Project

Project/Area Number 20K06621
Research InstitutionKinjo Gakuin University

Principal Investigator

澤田 均  金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (60158946)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 齋藤 貴子  静岡大学, 農学部, 助教 (10778038)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords受精 / ホヤ / 自家不和合性 / 自家不稔 / ライシン
Outline of Annual Research Achievements

<ライシンについて>マボヤでは卵黄膜のHrVC70が精子酵素によって細胞外でユビキチン化され精子プロテアソームによって分解されることを報告している。そこで、カタユウレイボヤ精子を用いて、精子膜表面や精子滲出液のプロテオーム解析を行ったが、プロテアソームサブユニットは検出されていない。一方、精子細胞表面にアスタシン様金属プロテアーゼ(Tast)が豊富に存在することがプロテオーム解析により判明した。Tast阻害剤GM6001は正常卵の受精を強く阻害するが卵膜除去卵の受精を阻害しないこと、卵膜を精子で処理すると、卵膜成分の分解が見られ、それがGM6001によって阻害されることから、Tastが直接または間接的にライシンとして機能していることが考えられる。一方、マボヤにおいてもGM6001とその誘導体は、マボヤ正常卵の受精も阻害し、卵膜除去卵の受精は阻害しないことから、精子の卵膜通過にTastが関わることが示された。さらにその標的は、マボヤ卵黄膜成分ヴィテロジェニンであることが示唆された。今回、マボヤの受精におよぼす脱ユビキチン化酵素阻害剤の影響も検討したところ、それらは受精を強く阻害することが初めて示された。ユビキチン化されたVC70を分解する際に脱ユビキチン化酵素も機能していると考えられる。
<自家不和合性について>カタユウレイボヤにおけるs-Themisとv-Themisの相互作用の解明を目指して、s-Themisの遺伝子発現条件を検討している。最近、予備実験ながら、s-Themis断片組換え体の効率的発現に成功したので、今後の解析の突破口としたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

マボヤに関しては、宮城県女川湾で養殖しているC型マボヤ(12月-2月の昼に放精放卵するタイプ)を従来から使用していたが、女川湾では「被嚢軟化症」という一種のマボヤ感染症が蔓延しており、大問題となっている。女川湾でマボヤを購入して、青森市浅虫にある東北大学大学院理学研究科附属浅虫海洋生物学教育研究センターに陸路移動して施設内で大量飼養することに対しては、感染拡大を防止するため浅虫の地元漁師が反対しており、従来のような精子と卵の大量調製が困難になってきている。浅虫の漁協でもマボヤの養殖を試みているが、成功していない。したがって、今回は、朝に産卵するA型マボヤを浅虫の漁師から少量購入し、東北大学の施設で飼養していただいた。しかし、購入量に限界があるため、大量調製することができない。これらの理由により、研究の進展は当初の予定より遅れているのが現状である。

Strategy for Future Research Activity

<卵黄膜ライシンについて>ホヤ精子のライシンに関しては、不明な点が多く残されている。カタユウレイボヤでは、LC/MSによるプロテオーム解析により、Thromobospondin Type-1-repeatをもつアスタシン様金属プロテアーゼ(Tast)が精子細胞膜に多く存在することを明らかにしている。また、複数のtast遺伝子が精巣で発現しており、そのうち少なくとも4個はN末端付近に膜貫通ドメインを有することも見出した。さらに、Tastの標的はCiVC57というHrVC70のホモログであることも示唆されている。一方、ゲノム編集によりこの酵素遺伝子の破壊を試みたところ、孵化の遅延と変態異常が観察され、成体にまで発生しないことから、この方法で受精における機能解析を行うことは困難であることが示された。今後の課題としては、この酵素の実体解明と、抗体を用いた局在性が挙げられる。また、マボヤでも同様の現象が確認されたことから、マボヤ精子からのTastの精製と性状解析ならびに局在性解析と基質探索が課題である。
<自家不和合性に関して>カタユウレイボヤに関しては、s/v-Themis組換え体遺伝子の発現条件の検討を行い、アレル特異的タンパク質間相互作用が見られるか否かを明確に示す。立体構造をAlfaFold2で予測し、立体構造面からの裏付けも検討する。

Causes of Carryover

マボヤの大量調製が困難になったことによる実験計画の変更を行ったことが第1点として挙げられる。また第2点としては、当初分担者が購入を計画した細胞内DNA導入装置を業者から借用して予備実験を行ったところ、本実験の目的には不十分であることが判明しため、次年度に別予算との合算でより高価な上位機種のDNA導入装置の購入を検討する必要がでてきたため。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Mechanisms of sperm-egg interactions: What ascidian fertilization research has taught us.2022

    • Author(s)
      Hitoshi Sawada, Takako Saito
    • Journal Title

      Cells

      Volume: 11 Pages: 2096

    • DOI

      10.3390/cells11132096

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Sperm astacin-like metalloproteases are involved in sperm penetration through the vitelline coat during ascidian fertilization.2022

    • Author(s)
      Hitoshi Sawada
    • Organizer
      11th International Tunicate Meeting
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] カタユウレイボヤの自家不和合性に及ぼす細胞外カルシウムイオン濃度と精子濃度の影響2022

    • Author(s)
      金城敬太、笹浪知宏、澤田 均、齋藤貴子
    • Organizer
      日本動物学会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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