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2021 Fiscal Year Research-status Report

二核性生物テトラヒメナにおける核膜孔構造の多様性

Research Project

Project/Area Number 20K06632
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

岩本 政明  日本大学, 文理学部, 教授 (80450683)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords核膜孔複合体 / Nup107-160複合体 / ヌクレオポリン / 繊毛虫 / テトラヒメナ / 核分化 / 免疫電子顕微鏡法
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、繊毛虫テトラヒメナの大核と小核に存在する機能の異なる核膜孔複合体(NPC)について、両者の構造を比較し、それらが一般的な真核細胞のNPCとどう異なるのかを明らかにすることによって、NPCが取りうる構造的バリエーションと、その機能的な意味について理解することを目指している。2年目の本年度は、免疫電子顕微鏡観察のための最適な試料作製法を確立できた核膜孔タンパク質(Nup)から順次、電顕観察を実施した。これまでにNPCのinner ring構造を構成するNup155とNup93、outer ring構造を構成するNup160, Nup133, Nup107, Nup96, Nup85, Seh1の観察を終えた。Nup155とNup93はともに、それらの存在を示す金粒子のシグナルが大核と小核両方のNPCにおいて細胞質側(上側)と核内側(下側)に同程度検出された。このことからinner ringは両核のNPCの上下に対称的に配置していることがわかった。ところが、Nup160, Nup133, Nup107, Nup96, Nup85, Seh1はいずれも小核のNPCでは細胞質側と核内側の両側にシグナルが検出されたが、大核のNPCでは核内側にしか検出されなかった。したがって、小核のNPCはouter ringが上下に対称的に配置する典型的な構造である一方、大核のNPCは細胞質側にouter ringを欠くという非常に特殊な構造を呈していると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の研究実施計画では、核膜孔複合体の骨格を構築する10種類の核膜孔タンパク質について免疫電子顕微鏡観察を行うとしていた。本年度までに、そのうちの8種類の核膜孔タンパク質についてデータを得ることができたが、2種類については実験を実施したものの十分な観察像を得ることができなかった。しかしながら、観察に成功した8種類の核膜孔タンパク質のデータは、大核と小核の核膜孔複合体に構造的な違いが存在することを明確に示唆するものであった。したがって、当初の計画の二年目の到達目標をほぼ達成できたといえるため、進捗状況はおおむね順調であると区分することができる。

Strategy for Future Research Activity

Phe-Glyリピートを持つFG-Nupに分類されるMacNup98A、MacNup98B、MicNup98A、MicNup98Bについては、NPCの上下どちら側に配置するのかがいまだに明らかになっていないため、これらNupの免疫電顕を実施する。これによって、GFP融合体発現株が得られている全てのNupについてデータが出揃う。それらの結果を待って、大小核のNPCの構造の違いについて報告するための論文の執筆に取り掛かる。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの流行によって、参加予定だった複数の学会が中止、あるいはオンライン開催となり、旅費をほぼ使用しなかった。その分は、旅費を捻出するために予め少なく見積もっていた物品費の補填に当てたが、支出が計画通りでなかったため全体の使用額と予定額との間に差が生じてしまった。次年度には、これらの繰越し分は物品費として消耗品の購入に使用する予定である。本来の令和4年度の直接経費の使用予定内訳には変更はない。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 2021 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Live CLEM imaging of Tetrahymena to analyze the dynamic behavior of the nuclear pore complex2022

    • Author(s)
      Tokuko Haraguchi, Hiroko Osakada, Masaaki Iwamoto
    • Journal Title

      Methods in Molecular Biology

      Volume: 2502 Pages: 473-492

    • DOI

      10.1007/978-1-0716-2337-4_30

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Basal bodies in the anterior region of the Tetrahymena cell are binding sites for nucleoporin MicNup98A2021

    • Author(s)
      Takaharu Yamamoto, Noriko Fukuta, Masaaki Iwamoto, Atsushi Matsuda
    • Organizer
      2021 Ciliate Molecular Biology Meeting
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 細胞の前端部に局在する繊毛虫テトラヒメナのヌクレオポリンMicNup98A2021

    • Author(s)
      山本孝治, 福田紀子, 近重裕次, 岩本政明, 松田厚志
    • Organizer
      日本原生生物学会
  • [Presentation] 細胞の前端部に局在する繊毛虫テトラヒメナのタンパク質2021

    • Author(s)
      山本孝治, 福田紀子, 岩本政明, 松田厚志
    • Organizer
      日本分子生物学会
  • [Remarks] 日本大学文理学部生命科学科原生生物学研究室

    • URL

      https://dept.chs.nihon-u.ac.jp/biosciences/staff/iwamoto/

URL: 

Published: 2022-12-28  

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