2020 Fiscal Year Research-status Report
Spindle function and formation regulated by opt-controllable kinesins
Project/Area Number |
20K06635
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢島 潤一郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00453499)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須河 光弘 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (80626383)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | モータータンパク質 / 分裂期キネシン / 光応答性タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞分裂において、紡錘体の構成分子である分裂期キネシンなどが適切に機能し、紡錘体が形成される。本研究では、可視光照射により分裂期キネシンの機能の制御を可能とする「メカノ-オプトジェネティクスアプローチ」を開発することを目的とし、力学的機能を果たすキネシンを、分裂過程の任意のタイミングで局所的に不活性化させ、目的のキネシンの機能を定量し、動的な構造体である紡錘体を巧みに統御する生命独特の分裂システムの分子機構の一端を明らかにすることを目指す。本年度は、分裂期キネシンである線虫のkinesin-6とその結合タンパク質によるキネシンの制御機構についてin vitro再構成系を用いて検討した。結合タンパク質のキネシンへの結合は、キネシンの運動速度を減速させ、微小管上を前方向に進むだけではなく、後方や左右方向へ移動する確率をあげることが分かり、他の微小管結合タンパク質がひしめき合う中央紡錘体微小管上で効率よく微小管のプラス端付近まで到達できることが示唆された。これらの研究成果を、Communications Biology誌で発表した。この結合タンパク質のキネシンへの結合・解離を光応答性タンパク質で制御するため、結合タンパク質のキネシン結合部位付近に光応答性タンパク質を融合させたコンストラクトを作成し、光の照射によってキネシンと結合タンパク質との結合・解離を制御するシステムの構築を行った。また、ヒト細胞での分裂期キネシンの制御を目指し、ヒトのkinesin-6であるMKLP1及びMKLP2とその結合タンパク質との間の結合解離を制御するシステムの構築も開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分裂期キネシンとその結合タンパク質によるキネシン機能の制御の分子機構についてはある一定の水準までは明らかになり、国際誌へ論文を発表することができたが、光照射によるキネシンとその結合タンパク質の結合解離が制御できる分子の割合が低く、更なる改良が必要な状況であるため。また、本年度は感染症拡大予防・防止のため、大学構内での研究活動が制限され、当初の計画通りに研究が進まなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
光照射の有無によりキネシン結合タンパク質のキネシンへの結合解離効率の最適化のため、分裂期キネシン、または結合タンパク質に、光応答性タンパク質を融合させる位置を網羅的に変えたコンストラクトを作成・発現・精製し、光照射の有無による結合解離効率を検証する。また、ヒト細胞紡錘体機能の光による制御を目指し、ヒトの分裂期キネシンであるkinesin-5, kinesin-6, kinesin-12の機能の光照射による制御の検証を行う。
|
Causes of Carryover |
本年度は感染症拡大予防・防止のため、大学構内での研究活動が制限され、現在までの進捗状況に影響を与え、当初の計画通りに研究が進まなかった。次年度は技術補佐員等を雇用し、網羅的にDNAコンストラクトの作成を行い、サンプル調整を進める。
|
Research Products
(3 results)