2021 Fiscal Year Research-status Report
Spindle function and formation regulated by opt-controllable kinesins
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20K06635
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢島 潤一郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00453499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須河 光弘 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (80626383)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モータータンパク質 / 分裂期キネシン / 光応答性タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞分裂において、紡錘体の構成分子である分裂期キネシンが適切に機能し、紡錘体が形成される。本研究では、光照射により分裂期キネシンの機能の制御を可能とする「メカノ-オプトジェネティクスアプローチ」を開発することを目的とし、力学的機能を果たすキネシンを、分裂過程の任意のタイミングで局所的に不活性化させ、目的のキネシンの機能を定量し、動的な構造体である紡錘体を巧みに統御する生命独特の分裂システムの分子機構の一端を明らかにすることを目指す。本年度は、新たにOADを導入した光ピンセット顕微システムの構築を進め、分裂期キネシンであるヒトのkinesin-6の力学特性を実施し、作成したkinesin-6のコンストラクトにおいては、processivityが低い可能性が高いことが分かった。しかしながら、目的タンパク質の発現量が低く、アミノ酸配列の一部付加や一部除去により発現量を改善する必要がある。加えて、ヒト細胞での分裂期キネシンkinesin-6の光照射による制御を目指し、(1)線虫kinesin-6のネック部位、及びネックと相互作用する結合タンパク質(CYK4)に光応答性タンパク質を融合させたコンストラクトを作成し、その光に応答した運動性を定量し、(2)ヒトkinesin-6を修飾した金粒子を培養細胞内に導入し、kinesin-6の運動性により中央紡錘体に集積したkinesin-6・金粒子へのレーザー光の照射により、中央紡錘体の動態変化のイメージングに着手した。また、ヒトの分裂期キネシンであるkinesin-5, 及びkinesin-12の機能の光照射による制御を行うためのDNAコンストラクトの作成に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分裂期キネシンkinesin-6の力学特性、および、光による運動性阻害についてはある一定の定量結果までは到達したが、光照射そのものによるキネシンへ運動性の阻害(光毒性)が起こり、照射する光の波長や強度について更なる改良が必要な状況である。また、本年度は感染症拡大予防・防止のため、大学構内での研究活動が一部制限され、当初の計画通りに研究が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
光照射の有無によるキネシンの運動性の制御の最適化のため、分裂期キネシンkinesin-6、及び結合タンパク質に、融合させる光応答性タンパク質の種類を変えたコンストラクトを作成・発現・精製し、光照射の有無による運動阻害効率を検証する。また、ヒト細胞紡錘体機能の光による制御を目指し、ヒトの分裂期キネシンであるkinesin-5や kinesin-12の4量体化、及び2量体化形成の光照射による制御の検証にも着手する。
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Causes of Carryover |
本年度は感染症拡大予防・防止のため、大学構内での研究活動が一部制限され、現在までの進捗状況に影響を与え、当初の計画通りに研究が進まなかった。次年度も引き続き技術補佐員等を雇用し、DNAコンストラクトの作成やサンプル調整は効率的に行い、光学顕微鏡による光制御の定量を進める。
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