2022 Fiscal Year Annual Research Report
ドーパミン作動性ニューロンのリソソームを介した新規細胞外分泌機構の解明
Project/Area Number |
20K06646
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
鳥居 知宏 同志社大学, 脳科学研究科, 准教授 (00515603)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ドーパミン作動性ニューロン / Arf6 / Cytohesin-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度、Cytohesin-2のArf6に対する活性測定を行った。通常、Cytohesin-2を発現させると細胞内の活性型Arf6量が増加するが、さらにCCDC120を共発現させることでさらに細胞内における活性型Arf6量が著しく増加した。 In vitroにおいてcytohesin-2とCCDC120は相互作用することから、CCDC120とcytohesin-2の相互作用はcytohesin-2のArf6に対するGEF活性を正に制御することがわかった。一方、内在性CCDC120の細胞内局在を詳細に検討した結果は、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体のいずれの細胞小器官での局在が認められなかった。以上からCCDC120が細胞の各所で濃度上昇すると液液相分離を形成する可能性が高く、それによってリクルートされたcytohesin-2が活性化される新規分子機構を提唱した。今後は、ドーパミン作動性ニューロンだけではなく種々の細胞で、このような分子機構が機能するか否か検証する必要があると考えている。また、本研究期間中にleucine rich-repeat kinase 2 (LRRK2)をコードするプラスミドを購入し、LRRK2がCCDC120をリン酸化するか否か検証したところ、現時点まで共発現によるcytohesin-2のリン酸化の亢進は確認出来ていない。 CCDC120は神経細胞においてスパインに局在している申請者が行った先行研究と本研究の研究成果から、樹状突起スパイン領域におけるCCDC120-cytohesin-2を介したリソソームからのエクソサイトーシス分子機構などを想定している。
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