2022 Fiscal Year Annual Research Report
ライブイメージングと数理モデルを用いたグルコース感知機構の解析
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20K06647
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐野 浩子 久留米大学, 付置研究所, 講師 (90506908)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グルコース感知 / 糖代謝 / Mondo/ChREBP / ショウジョウバエ / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、細胞内グルコース量とMondo核移行を同時に検出するためのライブイメージング実験系の構築を行った。初年度に作製したマーカー系統(細胞内グルコース量を蛍光グルコースセンサーであるGreenGlifon4000 (Mita et al., 2019) をショウジョウバエゲノムに挿入し、mAppleをMondoのコーディング領域のC末端にノックインした系統)の脂肪体を培養し、培地にグルコースを加えた時のGreenGlifonの蛍光強度とMondoの核局在をスピニングディスク共焦点レーザー顕微鏡を用いて検出した。その結果、培地へのグルコース添加に応じて、細胞内グルコース濃度が上昇し、それに伴ってMondoの核局在が促進することを示すデータが得られた。一方、培地に添加したグルコースは拡散しにくく、高濃度のグルコースによる脂肪体の収縮およびそれに起因した一過的なシグナル増強が起こることが明らかになった。この問題を解決するために、グルコース添加法の検討を行っている。この問題が解決された後、グルコース代謝経路(ポリオール経路、解糖系、ペントースリン酸経路)を阻害した脂肪体を用いたイメージングデータを行い、得られたデータを数理モデル解析に供する予定である。 ショウジョウバエを用いた解析と並行して、マウスモデルにおけるポリオール経路のグルコース感知への関与と疾患発症との関連を解析した。ソルビトール脱水素酵素 (Sord) ノックアウトマウスを作製し、マウスにおいてもポリオール経路がグルコース摂取に応じたChREBPの核移行に必要であることを明らかにした。また、ノックアウトマウスではグルコース耐性が低下することが明らかになった。インスリン分泌は正常であったことから、インスリン感受性が低下していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Nutrient responding peptide hormone CCHamide-2 consolidates appetitive memory.2022
Author(s)
*Yamagata, N., Imanishi, Y., Wu, Hongyang., Kondo, S., Sano, H., and Tanimoto, H.
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Journal Title
Frontiers in Behavioral Neuroscience
Volume: 16
Pages: 986064
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] The polyol pathway is an evolutionarily conserved system for sensing glucose uptake.2022
Author(s)
*Sano, H., Nakamura, A., Yamane, M., Niwa, H., Nishimura, T., Takemoto, K., Ishiguro, K., Aoki, H., Kato, Y., and Kojima, M.
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Journal Title
PLOS Biology
Volume: 20
Pages: e3001678
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Evolutionarily conserved functions of the polyol pathway in glucose sensing2022
Author(s)
Hiroko Sano, Akira Nakamura, Mariko Yamane, Hitoshi Niwa, Takashi Nishimura, Kimi Araki, Kazumasa Takemoto, Kei-ichiro Ishiguro, Hiroki Aoki, Yuzuru Kato, and Masayasu Kojima
Organizer
第55回日本発生生物学会年会