2022 Fiscal Year Research-status Report
シングルセル解析による体節形成の多様性を統合する分子基盤の解明
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20K06676
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小田 康子 (秋山康子) 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤講師 (80426650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 広樹 株式会社生命誌研究館, その他部局等, 主任研究員 (50396222)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オオヒメグモ / パターン形成 / 単一細胞RNA-seq / 単一核RNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、オオヒメグモ胚を用いてシングルセルRNA-seq解析を行い、体節形成の基盤となる縞パターン形成時の遺伝子発現を単一細胞レベルで理解することを目指している。昨年度までに、遺伝子発現の情報が蓄積している胚盤期の胚を用いて単一細胞および単一核RNA-seqの実験法を確立し、これらの方法が中胚葉への分化過程にある一過的な細胞状態を検出できるほど高感度であることや、胚盤の前後軸に沿った極性を再構成できることを明らかにした。さらに、核を用いた解析は細胞を用いた解析よりも遺伝子発現の検出が高感度に行え、縞パターン形成時に現われる新たな細胞状態を捉えることが可能であることが分かった。今年度は、まず、これらの胚盤期での結果を論文として発表した。続いて、縞パターンが形成される胚帯期の胚を用いた実験を進めた。in situハイブリダイゼーションによる染色結果との比較のために単一細胞RNA-seqによる解析を行うことを考え、実験開始時に困難であった細胞の解離の条件を検討し、タンパク質分解酵素を使用する方法を確立した。しかし、細胞の回収効率などに問題があったため、胚帯期の胚の解析も単一核RNA-seqにより行うこととした。単一核RNA-seqのライブラリーを作製し、データの取得を行い、Seuratによる解析を行った。クラスタリングの結果、この発生段階でも三胚葉が検出でき、さらに中胚葉細胞の体の前後の違いが検出されたことが分かった。外胚葉細胞の集団には前後のパターンとともに、体節の縞パターンも再構築された。この再構築されたパターンの解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験系の確立に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は体節形成期の胚を用いた単一核RNA-seq解析を完了し、論文としてまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
実験系の確立に時間がかかったため。 研究費はデータの再確認のための実験と、論文の校正、投稿に使用する予定である。
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Research Products
(8 results)