2020 Fiscal Year Research-status Report
Specification of leaf base by a signal from the shoot apical meristem in rice
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20K06679
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
鳥羽 大陽 宮城大学, 食産業学群, 講師 (10585160)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 発生 / パターン形成 / イネ / 葉身 / 葉鞘 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の器官は,基部-先端, 中央-周縁, 向軸-背軸の3つの軸に沿ったパターン形成を行う. イネ科植物の葉は先端側に葉身,基部側に葉鞘をもち, 基部-先端軸に沿って明瞭なパターンを形成することから、申請者は, 基部-先端パターン形成のモデルとして本研究で注目し、解析を行っている。これまでの研究から, 基部-先端パターン形成のごく初期に基部側で発現を開始し、器官形成に必須の役割をはたすOsBLADE-ON-PETIOLE(OsBOP)遺伝子を見つけている。本研究の目的は、OsBOP遺伝子の発現を制御する仕組みを解明することで、植物のパターン形成機構の理解を深めることである。本年度は、OsBOP遺伝子のゲノム配列上に推定された発現制御シス因子の機能性を検証するために、以下の2つの実験を進めた。また、OsBOP遺伝子の発現制御への関わりが想定される基部-先端パターン形成に影響を与える新規遺伝子候補の解析を行った。 実験1. プロトプラストを用いた一過的発現解析系を用いた発現制御シス因子の効果検証 一過的発現を実現させるためのベクター作成とプロトプラストアッセイの条件検討を行なった。これにより、次年度以降に発現制御シス因子の効果を検証できる目処がついた。 実験2. OsBOP遺伝子発現レポーターを用いたin plantaでの発現制御シス因子の効果検証 蛍光タンパク質を用いたOsBOP遺伝子発現レポーターをosbop機能欠損系統へ導入する実験を行なった。機能冗長性のある3遺伝子全ての機能欠損変異体背景でも遺伝子導入が可能かを検証し、可能である見通しがついたので次年度以降にOsBOP遺伝子発現レポーター導入系統を確立する目処がついた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に当たる本年度は、本研究課題を今後順調に行う上で必要な実験を計画しており、それらを予定通り進められたため、今後の進展に目処がついた。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止措置のため、年度当初は研究スタートに懸念があったが、後半に実験を進められたため、おおむね予定通りといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、計画目的通り、OsBOP遺伝子の発現を制御する仕組みを解明するために、準備した実験を遂行する予定である。2020年度はOsBOP遺伝子の発現を制御するシス因子に注力して研究を進めたが、トランス因子に関しての研究計画を今後は進める。また2020年度の研究成果で、トランス因子に関して新しい知見が得られつつあるので、その発展を目指すところである。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、年度当初の研究遂行が新型コロナウイルス感染症対策のための活動自粛により遅れ、実験材料であるイネの栽培および組織培養に掛かる消耗品を使用しなかったことにある。次年度計画では、その遅れを取り戻すために、本年度の成果を反映して、イネの栽培および組織培養を計画的に行い、予定研究費用を使用する見込みである。
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