2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K06689
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
木下 温子 東京都立大学, 理学研究科, 助教 (00612079)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 植物発生 / 器官形成 / 非対称分裂 / 細胞分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 3次元画像構築を用いた4細胞胚の観察:in vitro受精系で作出された受精卵の初期発生過程は概ねin vivoの発生過程を反映していると考えられるが、これを定性的に示した例はない。in vitroの発生過程における受精卵の分裂様式について知見を得るため、in vitro受精系で作出した受精卵を約24時間培養し、得られた4細胞胚の細胞壁を染色して共焦点レーザー顕微鏡でZ-stack画像を取得した。構築した3次元像より、胚の表面を観察したところ、2細胞胚における2つの第二分裂面がほぼ一致しているものから、分裂面の角度にわずかな差を生じているもの、分裂面間の角度が90度近いものなど様々なバリエーションの4細胞胚が観察された。このことから、in vitroにおいても、2細胞胚における2つの第二分裂が独立して起こり、その間の角度はランダムであることが示唆された。 2) 2細胞胚における特性の発生学的解析:イネin vitro 2細胞胚の分離および培養に成功した。さらに、2細胞胚における個々の細胞の特性を明らかにするため、分離した2細胞をそれぞれ独立のシャーレで培養し経時観察を行った。その結果、細胞サイズの大きい基部細胞は培養期間を通じて盛んに分裂し、カルスを経て植物体再生に至ったのに対して、細胞サイズの小さい頂端細胞は培養後2日目以降に分裂活性が顕著に低下する様子が観察された。この結果は、2細胞胚における頂端及び基部細胞の特性が異なっている可能性を示唆している。 3) 2細胞胚における遺伝子発現プロファイル:単離した2細胞からそれぞれ転写産物を回収し,シングルセルトランスクリプトーム解析を行い,得られたシークエンスデータをもとに発現変動遺伝子を同定した。
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