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2020 Fiscal Year Research-status Report

黄緑藻の葉緑体光定位運動と新奇LOV光受容体

Research Project

Project/Area Number 20K06692
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

高橋 文雄  立命館大学, 生命科学部, 講師 (60332318)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 笠原 賢洋  立命館大学, 生命科学部, 教授 (70361748)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsフシナシミドロ / 新奇青色光受容体 / LOV
Outline of Annual Research Achievements

本研究で扱う黄色植物フシナシミドロにおける葉緑体光定位運動は、20世紀初めから生理的な解析が行われ、教科書的な材料として扱われてきたが、その運動の詳細なメカニズムや光受容体の存在は、理解されていなかった。本研究では、長い間解かれていない黄色植物の葉緑体光定位運動について、最近トランスクリプトームデータから得られた新奇青色光受容体(LOVドメインを保持する)との関係を明らかにするものである。
本年度は、主に葉緑体の運動に着目して生理学的解析を行った。まず巨大な管状細胞であるフシナシミドロ内で、多数ある葉緑体が単色光下でどのように動いているか詳細な観察を行った。背景光として青、緑、赤の波長を用い、運動の様子をタイムラプス撮影し、その速度と運動方向を特定した。その結果、教科書的には一方向で多条型の動きをすると考えられていたが、緑と赤の背景光を用いた場合、葉緑体は細胞長軸に対して、平行方向に動いているが、その動きは単純な一方向性の運動を示さず、往復運動をしている様子が観察された。一方、背景光に青色を使った場合、葉緑体の集合運動と同様にその場に留まっている様子が確認された。現在ミオシンの阻害剤などを用いた詳細な解析を行っている。
次にトランスクリプトームで得られた新奇青色光受容体の生化学的解析(大腸菌などによる異種発現)を行った。しかし遺伝子全長でのタンパク質発現を行ったが、光受容能・発色団の結合は見られなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

生理的な実験は概ね予定通り進行しているが、光受容体の生化学的解析が難航している。大腸菌や昆虫等を用いて新奇受容体のタンパク質の発現をさせているが、発現量も少なく発色団が結合してようにみえない。また、顕微注射によるRNAiのセッティングが終わっておらず、急務である。

Strategy for Future Research Activity

まず、新奇光受容体はドメインが8つに分けられ、その中でも光を受容するドメインが5つ存在する。その5つを別々のベクターに挿入し、個々に大腸菌で発現させ、各々の光受容能を確認する。またその他の信号系のドメインについても同様に大腸菌を用いて発現確認を行う。またコドン頻度の調製や大腸菌別株などを使用し、発現量を上昇させる工夫が必要であると考えている。
次に、現存の顕微鏡を改良し顕微注射用のセッティングを行い、早い段階で細胞にDsRNAを注入できる状態にする予定である。

Causes of Carryover

生化学的な解析やRNAiによる解析が進まなかったため。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Phenological shifts and genetic differentiation between sympatric populations of Sargassum horneri (Fucales, Phaeophyceae) in Japan2020

    • Author(s)
      Homma Y, Okuda S, Kasahara M, Takahashi F, Yoshikawa S, Uwai S
    • Journal Title

      Marine Ecology Progress Series

      Volume: 642 Pages: 103-116

    • DOI

      10.3354/meps13332

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 精子による生殖を行う植物はcAMP合成・分解酵素CAPEをもつ2021

    • Author(s)
      山本千愛、高橋文雄、大江遥介、白畑陽都、柴田あいか、笠原賢洋
    • Organizer
      第62回 日本植物生理学会年会
  • [Presentation] ゼニゴケ精子の運動性におけるcAMP合成・分解酵素CAPEの機能2020

    • Author(s)
      山本千愛、高橋文雄、末次憲之、河内孝之、笠原賢洋
    • Organizer
      日本植物学会 第84回大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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