2023 Fiscal Year Research-status Report
葉枕の力学的な可塑性を担う細胞壁発達制御メカニズムの解析
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20K06707
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中田 未友希 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (60707579)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 葉枕スリット / 葉の運動 / 細胞壁 / 組織構造 / マイクロフォーカスX線CT |
Outline of Annual Research Achievements |
マメ科ではほぼ全ての植物種で葉枕構造や運動性が観察されるのに対し、アオイ科では葉枕の有無や形状、葉の運動性の多様度が非常に高いことから、アオイ科のモデルとしてケナフに着目し、葉の運動性と組織構造について調べた。ケナフにおいて、葉の向日性の動きが顕著に見られることがわかったため、葉枕の形状と内部の組織構造との関連性を調べることとした。diceCT法を用いて内部コントラストを増強したケナフ葉枕をマイクロフォーカスX線CTで撮影し、3D-CT画像の半自動定量解析のためのワークフローで開発した。このワークフローは3つのステップから構成される。1つ目は葉枕の中央線の多項式近似と中央線の曲率分析のステップ、2つ目はグレーバリュー解析による局所閾値マップの構築のステップ、3つ目は抽出した組織構造のメッシュを用いた組織パラメータの算出と統計解析である。これらのステップのほとんどはPythonプログラムにより自動で解析・処理される。1つ目のステップを開発する過程で、ケナフの葉枕の形状が、極座標多項式回帰により近似でき、渦巻きの巻き始めと形態的に類似していることがわかった。また、2つ目のステップの開発の過程で、葉枕のX線吸収量には葉枕の曲がった内側と外側、葉柄に違い側と葉身に近い側でそれぞれ違いがあることを見出した。そのため、葉ごとにグレーバリューを解析し、閾値マップを求める必要があることがわかった。得られたパラメータでネットワーク解析やLASSO解析を行なったところ、曲率とサイズ標準化した皮層の断面積の関連性が見出され、曲率がサイズ標準化した皮層の断面積の5乗に比例することを見出した。本研究の成果をJournal of Plant Research誌において発表した(doi: 10.1007/s10265-023-01498-w)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年10月に熊本大学に准教授として着任し、異動の前後で研究を中断せざるをえなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
葉枕や葉の運動の多様性について引き続き調査を進めるとともに、アオイ科の葉枕の多様性についてケナフ以外の植物種の3DCT画像の分析も行い、比較解析を行う。また、かねてより準備を行なっているマメ科のモデル種を用いた遺伝学的分析について、葉枕スリットに関連する遺伝子の解析も進める。
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Causes of Carryover |
2023年10月に熊本大学に准教授として着任し、異動の前後で研究を中断せざるをえなかったため。できるだけ早期に研究室の環境を整備し、研究活動を再開する。また、解析済みの成果について論文を執筆し、投稿する。
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Research Products
(3 results)