2021 Fiscal Year Research-status Report
傷口の組織治癒を制御するWOX転写因子とペプチドホルモンの機能解析
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20K06712
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
池内 桃子 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00633570)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 器官再生 / 組織治癒 / カルス / 接ぎ木 / 転写制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物は高い再生能力を持ち、傷口の組織を修復することができる。特に樹木など寿命の長い植物種にとっては、組織が損傷した箇所に細胞塊であるカルスを作って傷口を塞ぎ、途切れてしまった維管束をつなぎ直せることは重要な生存戦略である。私はこれまでにWOX13が切断刺激によって発現誘導され、傷口におけるカルス形成と器官の再接着に必要であることを明らかにしてきた。さらに、転写制御因子であるWOX13がどのような標的遺伝子群を制御してカルス形成を司っているのかについて解明を進めてきた。その結果、WOX13は細胞壁を緩ませたり再編成させる活性を持つ酵素の遺伝子群などを制御していることが明らかになった。今年度は、これまでの成果をまとめて原著論文として発表することができた。さらに、WOX13は局所的な切断刺激だけでなく、切断によって引き起こされる長距離シグナルの蓄積量変化によっても発現が制御されているという新たな知見を得ることができ、引き続き解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はこれまでに得られている成果をまとめて原著論文として発表することができたとともに、WOX13の発現制御に関しては新たな知見を得ることもできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
WOX13の標的遺伝子群は多数あるが、そのうちで特に重要なものを絞り込むための実験を引き続き進めていく。またWOX13の発現制御に関しても、さらに詳細な解析を進めていくことを予定している。
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Causes of Carryover |
本年度は既に取得していたデータの解析や論文の執筆作業などに時間がかかったため、新たな実験をそれほど行わなかったため。次年度は一部技術補佐員の雇用にも充て、活発に実験を進めていく予定である。
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Research Products
(6 results)